第6話 この世界について
「それではまず、これからどうするかについて考えましょうか」
「どうするって言ってもここで暮らすしかないだろ?」
「そうですね、でもその前に私達はこの世界について知らなさすぎます。それに一刻も早くこの世界について知り、少しでも源さん達に恩を返さないといけませんから」
「まあ、それはそうだな。明日は源さんがこの世界について教えてくれるって言ってたしちゃんとしねぇとな。」
「それはそうかもしれませんが、この世界については源さんが教えてくれるかもしれませんがスキルについてはやっぱり自分でやらないと駄目だと思います。源さんもアドバイスなどはしてくださるかもしれませんが自分のことを1番分かっているのはやっぱり自分なんですから」
「そうねー、皆今日ある程度スキルの確認は取れたから隙間時間にでも練習しよーよ」
「そうだな、俺もコツは掴めた。後は鍛錬するのみだな」
「あんた、そんなこと言ってイノシシにやられてたじゃない」
「お、お前だってあのチーターみたいなのに腰抜かしてたじゃねーか」
「うっ…それを言われると…」
「あの…私から1ついいでしょうか?」
「ん?四条か、どうしたんだ?」
「その…私あの時のことでずっと疑問に思っていたんですが何故あのイノシシは無傷だったのでしょうか」
「それは大石の攻撃が雑魚かったからじゃないの?」
「あ!?」
「だってあのイノシシは確かに大石君の攻撃で吹き飛ばされたんですよ?たとえその攻撃が効いてなかったとしても地面を転がった時に多少の傷はつく筈です」
「確かに…」
「にも関わらずあのイノシシは無傷でした。かすり傷の1つもなく。そんなの物理的にありえません」
「そーだね、それはおかしーかも。でもそれこそうちらで考えてもしかたなくない?雅ちゃんの言う通りこの世界についてうちらは何も知らないんだからさー」
「それもそうですね…」
「そうですね。確かにおかしいです。そのことも源さんに聞きましょう。今日はもう寝ないといけませんから。明日寝坊なんてして源さん達に手間を掛けされる訳にはいきません」
「それじゃあおやすみ〜♪」
「うんおやすみ〜」
そうベッドにつくと
「はぁ、やっぱりベッドは落ち着くな〜」
「そーねー、落ち着くーってもう寝てるし」
一方男子部屋…
「「「「「ぐぉーがぁーぐぉー」」」」」
速攻でいびきをかいていた
翌朝…
「おはよー」
「んーいい天気!」
「ぐっすり眠れたー」
「で、男子共はもう起きてんのかなー」
「ん…まだ何じゃない…あいつらが自発的に起きれる人間とは…思えないし…」
「あんたも半分まだ寝てんじゃないの」
「でもちょっと心配ですね。少し様子を見てくることにします」
「…いってらっしゃーい…じゃあ…それまで…ちょっと…寝てる…ね…」
「それでは私は男子の様子を見てきますね。その間に皆さんは自分の身支度を整え、まだ起きなさそうなの相良さんを起こしてあげてください」
「「「ぐぉーがぁー」」」
「はぁ、やっぱり寝てました…昨日寝坊なんてしないよう言いましたのに…」
「皆さん!朝ですよ!いい加減に起きてください!」
「ほが!なんだよ母ちゃんもうちょっと寝かせろっての」
「誰が母ちゃんですか…ほら、早く起きてください!」
「…あ、委員長…おは」
「しょうがない人達ですね、早く起きて顔洗って眠気覚ましてきてください」
「んー…」
「…い・い・か・げ・ん・に・しなさい!!」
「うぉ!普段怒らない筈の委員長がきれた!しかも急に布団取ってくる!びっくりしたー」
「あなた達がだらしないからでしょう。昨日寝坊しないようにって私いったわよね!?」
「ご、ごめんなさい…
いやでも、ほら!あの…この世界には目覚ましとかも無いし起きれなかったっていうかさ」
「言い訳しない!それにあなた達目覚まし鳴っても止めて二度寝するタイプでしょ!」
「そ、そんなこと無いし?」
「さっさと顔洗ってきなさい!」
「はいっ!!お、お前ら行くぞー」
「あ、皆起きたみたいだね、おはよう。」
「あっ源さん、おはようございます。すみませんこんなだらしない所を見せてしまって…」
「いいよいいよ、気にしないで。それより皆身支度が出来たら公民館に来てね。朝食の準備が出来てるから」
「分かりました、ありがとうございます」
「みなさん、今の話聞きましたよね。早く身支度整えて来てください」
「「「はーい…」」」
「それでは私達は準備終っているので準備が終ったら私達の部屋に来てくださいね。部屋で待ってますので」
そうして身支度を整えた男子は女子を呼びに行き全員朝食を食べ終えた。
「全員ご飯は食べ終えたようだね」
「はい、今日のご飯も美味しかったです」
「それは良かった。それじゃあこの世界について教えるから図書館へ行こうか」
「分かりました」
「じゃあこの世界について教えるね」
「まずこの世界は大きくわけて5つに分けられるんだ。まずは人間の暮らす人間界、魔族の住む魔界、亜人の暮らす自然界、大きな霧に覆われた僕達の暮らしてる未開地、そしてこの大陸のはるか先にあると言われている異大陸だ。」
「なるほど、そして私達は人間界と魔界で行われている戦争の道具としてこの世界に呼ばれたんですね?」
「いいや、違うよ」
この時賢也からは怒りの感情がにじみ出る。
「そもそも魔族と人間は元々戦争なんてしていないんだ。人間界と魔界の間には大きな森が広がっていてそこには凶暴な魔物が彷徨いているからお互いに進撃するメリットより受ける被害の方が大きいからね」
「それならどうして私達は…」
「戦争の道具にするためだよ、人間同士のね」
「え…」
「魔界は魔王が全ての魔族を統治しているから争いはないけど人間界は幾つも国があって少しでも自分の国が治める領土を広げようと醜い戦争をずっと続けているんだ」
「…それならなんで最初から全員戦争に投入しなかったんですか?」
「理由は簡単だよ。向こうは異世界人にかける費用を少しでも減らしたい。だから強力な魔物の巣食う森へ魔王討伐という名目で送り出し、生き残った強者だけを頃合いを見て攫い自国の兵士にするんだ。君達を召喚した国王も言ってただろ?『兵士にしてやる』って」
「…それじゃあ」
「僕達のクラスは3人しか生き残らなかった、そこをクロイワさんに助けてもらったんだ」
「それにこの世界に、少なくともこの大陸には僕達を元の世界へ戻す手段はない。異大陸なら分からないけど結局人間界を通らないと行けないから無理なんだ」
「そんな…」
「だからこそこの世界で生き抜いていけるだけの知識と力が必要なんだ」
「これから魔物についてとスキルについて教えるから生き延びる為にもちゃんと聞いててね」
「「「「「はい!」」」」」
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