『フロルの実』の探索!

「ステータスも振り分けたし、探索をしていきましょうかね」




アカネは順調に『日の出の森』を進んでいった。


道中にいたモンスターは餌食になったが…




「あ、うさちゃんみっけ」


「キュ…ッ!」


「こういう経験値稼ぎも大事よねー」




「今度はゴブリンかーここら辺から出てくるのね」


「グァー!」ニヤリ


「薄汚い笑みを私に向けるんじゃないわよ!【ファイヤーランス】!」


「グギャァァァァ!!!!!」


「うるさいわね~」


「「「グァーー!!」」」


「あら、一人…いや、一匹じゃなかったのね」


「グシャァ!」


「弓に槍に剣と盾、まぁゴブリンにしては良い方じゃない?数は17匹、余裕ね」


「まとめて焼き尽くしてあげる!かかってきなさい!」


「ふっ!」




アカネは襲い来る矢や剣、槍をまるで踊るかのように回避していった。


それは見るものが見れば、見惚れてしまうほど無駄のない動きだった…




「この程度なのね。もう十分よ」


「【ファイヤーストーム】!」


「「「グギャァァ…!!」」」


「まずは5匹」


「【ダッシュ】【スラッシュ】!【スラッシュ】!」


「ふぅ、これで3匹」


「盾持ちは…【ダッシュ】【鎧断ち】!」


「これで更に3匹ね、あと6匹」


「そんなヘタクソな狙いじゃあたらないわ…よ!」


「【ファイヤーアロー】×6!」


「グシャ?!」


「「「グゥゥゥ…」」」


「これで終わりね!17匹分の回収ってめんどくさいわね…はぁ…」




アカネはゴブリン達の回収を終え、進行を再開した




「燃えたゴブリンも回収できてよかったわ」


「大分奥まできたけど、中々見つからないわね…こんなに無いものなのかしら?」


「ん?あれは…」




茂みの奥を見てみると、そこにはゴリラのようなモンスターが


沢山の木の実を食べているところだった。




「あれってもしかして…【鑑定】」




『フロルの実』


甘く美味しい実


多少の治癒効果もありHPを2%回復する


多くの場所で愛される実である




「やっぱりじゃない!」


「ゴァ?」


「あなた、その実渡してもらうわよ!」


「ンゴァ!」


「まずは…【鑑定】!」




『暴虐のイービル』


Lv30


HP:2000


MP:500




「私より高い…じゃ!ない!!」


「全く岩を投げてくるなんて馬鹿力しちゃって!」


「にしても、HPとMPしか見れないのは残念」


「はやめに決着狙いましょうかね」




「ンゴゥァ!」


「わっと!」


「あぶないわね…【ダッシュ】【ファイヤーランス】」


「ゴァァ!」


「あまり効いてなさそうね…なら」


「【擬態解除】【集中】【分裂】【隠密】!」


「これでも食らいなさい!最大出力!【溶液】×32!」


「ンゴァ…」




<クエストボスの『暴虐のイービル』を倒しました>


<レベルが25に上がりました>


<いくつかのアイテムを入手しました>


<称号【森の調停者】【容赦なしの一撃】【残虐無慈悲】【マッドサイエンティスト】を入手しました>






「おお~、一瞬で溶けちゃったわ!」


「称号はあとでいいわね、『フロルの実』は…あるわね」


「【擬態】」


「『ルシマベル』の実験できなかったけど…」


「まぁいいわ、さて帰りましょうかね」




クエストをクリアしたアカネは行きと同じように、道中のモンスターを狩りながら街に帰った。




「あら?あれはスライムだけど…珍しい色をしてるわね…」


「怖くないわよーこっちおいでー」


ぷにょん


「金…色…?」


「あなた珍しいわね、私のペットにならない?」


ぷにょん


「なんとなく了承してくれた気がするわね」


「そうねーとりあえずこのカバンの中に入っててくれる?」


ぷに…ぷに…ぷにょん


「よし!それでは戻るわよ!」


ぷにょん!









「そういえば、名前決めてなかったわね」


「あなたの名前は【マリーゴールド】通称マリーよ!」


<プレイヤー名【アカネ】により名付けが完了しました>


<個体名【マリーゴールド】との魔獣契約が完了しました>




<ワールドアナウンス:プレイヤー名【秘匿】が野良魔獣との初めての契約により魔獣契約システムが解放されました>




「あら、私が初めてだったのね」


「まぁまだ二日目だし早めに解放できてよかったってことで」


「さあマリー?次は何をしましょうかね?」


ぷにょん!


「そうだったわね、まずはクエストクリアの報告ね!」




そうやってマリーと会話していたら『始まりの街』にいつの間にかついていた。




「冒険者カードを見せろ」


「はい」


「通ってよし」


「案外何も言われないものね」


ぷにょん


「カバンとか確認されなくてよかったわ」







「ミリー!」


「あ!お姉ちゃーん!よかった!無事だったんだね!」




ミリーはアカネの無事が確認できたことがよほどうれしいのか、アカネの腰に抱き着いてきた。




「ええ、私にかかれば余裕よ」


「うん!」


「これ頼まれてた『フロルの実』よ」


「ありがとう!この実おばあちゃんが好きなんだ!」




<ランダムクエスト『フロルの実の収穫』を完了しました>




「お礼にこれあげるね!」




<ミリーから『ミリーお手製のお守り』をもらった>




「ありがとう!物凄くうれしいわ!」




アカネはミリーを抱き寄せると頬にキスをした




「もう…お姉ちゃん!//」


「ふふ、あまりにうれしくってついね」


「疲れてるでしょ!部屋でゆっくり休んでね!」


「ええ、そうさせてもらうわね」




この時、この一連の流れを見ていた他のプレイヤーはもれなく浄化されたのであった。

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