第68話
シニア向けフリーペーパーの創刊号がようやく完成し、スタッフ一同は更にフリーペーパーを普及していくために、商店街のイベントに参加したり、配布先の拡大や、社会福祉協議会の方との打ち合わせなど、活動はより活発的となった。
一方、地元のフリーペーパーの発行に向けて、僕は営業資料をもとにスポンサー探しに追われる日々が続いていた。また、シニア向けフリーペーパーとは違い、一人で発行に至るまでの準備もしなければいけない。基本的に夜家にいる間に、冊子全体の構成を考え、そのデザインを制作し、日中はスポンサー営業のために方々を回ったり、SNSで常に情報を発信するという生活が何日も続いていた。
何とか11月下旬になり、発行できるまでの最低限のスポンサーが集まり、ページレイアウトも完成。原稿の最終チェックを永遠と一人でやる中で、何とか印刷会社へのデータ入稿を終わらせることができた。
そんな準備に追われる中、11月というのは僕の誕生月であり、中学高校と同級生だったTから誕生祝いの誘いを受け、居酒屋で食事をした。中学や高校の同級生と会うのは久しぶりだったので、高校時代の話や近況報告をしあった。
また、11月下旬、ちょうど自分のフリーペーパーの最後の編集作業などに追われている最中、僕は専門学校の同級生から久しぶりの連絡をもらった。専門学校時代、特に1年生の頃にお互いに助け合ったUYの誕生日サプライズ企画があるので、ぜひ参加をしてほしいということだった。学生時代、相談や悩みを打ち明けて支えあったUYのためならばと、僕は快く承知した。
サプライズ当日、お盆以来の友人たちと共に居酒屋でスタンバイをしていると、UYが後輩に連れられて入ってきた。まさか自分たちがいると思わなかったため、サプライズにとても驚いていた様子だった。誰かのためにサプライズを考えたりお祝いをすることが、ふと僕の中で懐かしくも感じていた。
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