第67話

ラジオ番組へのゲスト出演から思いがけずレギュラー兼構成作家としての仕事が決まってから早1ヶ月。僕はレギュラー陣の人たちと、市役所隣接のレストランでランチを食べながら、次の番組内容の打ち合わせをしていた。

地元で育ったと言いつつも、高校卒業後は専門学校で3年間ほぼ毎日名古屋に通い、全く地元との接点がなかっただけに、会議の中でゲスト出演者を誰にするのかという話し合いの中で、様々な地元の人の名前が候補としてあがると、自分はまだ地元で仕事をしていながら、全く地元のことを知らないのだと実感した。

自分自身で地元を知るためには……そう考えたとき、やはり自分でフリーペーパーを立ち上げることが一番だと思うようになった。


自分でフリーペーパーを立ち上げたいと思う一方で、隣町のシニア向けフリーペーパーのほうでは相も変わらず編集会議の日々。そんな中、KKから、自分がメインパーソナリティーをやっているラジオ番組にゲスト出演しないかと誘われた。よくよく話を聞いてみたら、僕がレギュラーとなったラジオ番組と同じ局で、僕らの番組が毎月第3火曜日の夜11時に対し、KKの番組は毎月第3月曜日の夜の11時だという。事情を話し、あくまでシニア向けフリーペーパーのライターとしてゲスト出演することで話はまとまった。

レギュラーの決まった番組のほうは、10月の放送回はゲストとして出演した回で11月からレギュラーに、そしてKKが担当する番組は10月が収録で11月が放送となった。これで10月11月は、連続してラジオ出演することになった。これも一つの、自分の事業における宣伝となると思い、僕はSNSでもラジオ出演の宣伝をした。

収録が終わって間もない頃、僕はKKにフリーペーパーを地元で作りたいという相談を持ち掛けた。KKは映画のコラムを書いてみたいと言うので、僕の中ではこのように発信したい人のためのコーナーを作っても良いと思った。

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