天使の息吹は威力が高い
(昨日の莉久凄かった)
と昨日の事を反芻し続けている。昨日から考えすぎたのか頭が痛かった。1度考えるのやめ、布団から起きようとすると体が重たく感じる。疑問に思っているとドアが開かれた。
「嵐臥、起きてる?」
「起きてはいるよ、母さん」
「あら、顔色悪いわよ」
なるほど先程までの頭痛は、頭の使いすぎではなく体調不良によるものだったか。なんだか頭もぽわ〜んとしてきた。
「体調はどう?」
「すこぶる悪い」
「大事をとって、今日は休みましょう」
「わかった」
と会話した後体調が悪いと自覚したのか、先程よりも悪くなったので薬を飲みすぐに寝ていた。
目を覚まして時計を見ると16時過ぎ頃だった。薬のおかげで幾分かマシになっていた。その影響か、空腹が襲いかかってきた。リビングに行くと、ピンポーンとインターホンの音が聞こえたので、覗き込むと莉久が髪を整えながら待っているのが見てることができた。通話ボタンを押して、話しかけた。
「どうした?莉久」
「会いに来た。それで嵐臥、調子どう?」
「朝に比べたら大分ましになった」
「色々買ってきたんだけど、中に入ってもいい?」
「風邪うつるぞ」
「大丈夫、身体強い方だから」
「じゃ、今開けるわ」
とりあえず莉久をリビングまで案内することにした。
「お邪魔します」
「どぞどぞ」
「そうだ、飲み物いる?」
空腹が自己主張するかのように、ぐぅーと軽快な音を響かせた。
(そうだった莉久の訪問で忘れていたがお腹すいてたんだった)
「お粥あるし作るよ」
「ありがとう、助かる」
しばらく待っていると、できたらしく椅子に座る。
「どうぞ、嵐臥」
「ありがとう、いただきます」
1口すくい、口の前まで運び冷ましてから食べた。味としては、熱すぎて分からなかった。余程顔に出ていたのか、莉久は心配そうにこちらを見ていた。
「熱かっただけだから」
「それなら良かったのかな?」
「美味しくないとかじゃない、安心していいぞ」
「……そっか、スプーン貸して」
莉久の突然の申し出に困惑したが、言われた通りに渡す。お粥をすくい、口元でふぅふぅと冷ましてからこちらを見てきた。
「嵐臥、あーん」
「え?」
「だからあーんだって!」
「何故に?」
「じゃあげない」
「貰う貰うから」
「……///」
「嵐臥、まだまだあるからね」
莉久に食べせてもらったお粥は、熱くはなかったが、味が尚更分からなかった。たいそう気に入ったのか、残りのお粥も同じ方式で食べることになった。
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