第2話 あなたと私の牛すじ煮込み
るん太郎は本日ショッピングモールに来ていた。
「今日わっちはねぎを買うんだべさ」
るん太郎の今日の献立はフライドポテトである。
彼女にとってポテトとはじゃがいもであり、消火器でもあった。
いずれにしろそこに全くのねぎは存在しないのだが、ねぎを買わねばポテトなんて揚げてられるか、という話である。
「ねぎを買うということはねぎを用いた料理を購入すればお得ということだね」
るん太郎は”セット”の意味を宇宙規模で拡大解釈していた。
だがるん太郎はそれに厭わず意気揚々とピラフをもってレジに向かった。
「おやじさん、このチャーハン一つ頼むよ」
「お、お客様!セルフレジに話しかけるのはおやめください‼」
ちなみに前の話は地の文が一人称視点だったのに対して今回はナレーションが話をしている理由としては、純粋に作者がミスっただけである。
「おいおぃ、おやじさんよく見たらイケメンじゃねぇか。少し負けてくれよ」
「お、お客様!セルフレジ相手に値切らないでください‼‼」
アルバイトがうるさいことうるさいこと。
「こいつぁうめえな」
「お、お客様!とうとう商品に手を出しましたね‼‼」
そんなわけで数分後
「みなさーーーん、わっちは今、どこにいるでしょぉ~か!」
「 」
「正解は……警察署でしたぁ」
警察官、絶句。
「お前、自分が何したかわかってんのか!?」
「セルフレジ相手に値切ろうとした」
「ちげぇ!誰がセルフ……えセルフレジに?」
警察官、絶句。
「な、何にもわかってねぇな!分かんねぇなら教えてやる。お前は…」
「購入前の商品に口をつけたことですよね」
「わ、わかってんならいいんだよ…」
「……んでお咎めなかった、と。よかったねぇるん太郎ちゃん」
「そういう菜っ葉ちゃんはなんで昨日警察署にいたのさ」
「私はピーチ城に放火しちゃって」
桃の絶句。
「そういえば広嶌ちゃんは?」
「広嶌ちゃんは
「そこはちゃんとしてんのな…」
るん太郎にとって、例えば目の前にお餅があった時食べないという選択肢が無いように、菜っ葉ちゃんにとって眼鏡をかけてない H○KAKINを見たら眼鏡をかけてあげたくなるのだ。
「るん太郎ちゃん、その日焼け止めクリーム良いね」
「これは食用の日焼け止めクリームだから、ほらたべてみ」
るん太郎はおもむろに菜っ葉ちゃんの口にクリームを放り込む。
「パクッ、んごむごm……あんまりおいしくはないねぇ」
「あ、これシェービングクリームだ—————————
「昨日、女子中学生が友人に対して有害なものを故意的に食べさせたとして逮捕されました。調べによりますと——」
「あらぁ、物騒なこともあるものねぇお父さん」
「あぁ、るん太郎も巻き込まれなきゃいいが…」
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