第8話

18場

ボードゲームをしている清水と真田

決着がつく。清水の勝ち


真田「参った!」

清水「よーし! いやー長かったっすねー疲れたー。さて、じゃあ先生、約束通り罰ゲームで秘密を教えて下さい! さぁ! さぁ!」

真田「えーそうだなぁ」

清水「さぁ!」

真田「あ、そうだ。この度、私(わたくし)の書いた本に映画化のオファーがありました!」

清水「…いやいやいや…先生、ガチの秘密過ぎるって…それは罰ゲームで言っていいやつじゃないでしょう。頭おかしいんですか? え、守秘義務とかあるやつじゃ無いんですか?」

真田「守秘…義務…? いや、そんなものは…」

清水「いや、絶対あったやつでしょ! ほんとはダメなんだろうけど、ここまで聞いちゃったら引けない! 詳しく聞きたい!! 監督は? 有名な人ですか?」

真田「どうなんですかね? 知ってる人は知ってるくらいかもしれないです。若手のこれからって人で、いくつか海外の映画祭で賞を取ってる人みたいなんですよ」

清水「え! それはすごいじゃないですか!」

真田「やっぱりそう思いますか?」

清水「賞を取ってるんですよね? 凄いじゃないですか」

真田「海外の賞って言ったって、オスカーとかゴールデングローブ賞みたいに誰が聞いても知ってるやつじゃなくて、カリブ海国際映画祭とか、ビルサムンダ国際映画祭とか、誰も聞いたことのない賞ですよ? それを見たときに、海外のそれっぽいものでそれっぽい感じに権威をつけて、いかにも凄いものですみたいにして。それってやってることがカルトと変わらないんじゃないかって思って」

清水「…なるほど。じゃあ映画化の話は…」

真田「受けることにしました」

清水「え?」

真田「担当さんがすっごい喜んでくれましてね。その姿を見たら、こうやって喜んでくれる人がいるんだったら、その人たちの為にも映画化しないと駄目だよなって思って」

清水「…」

真田「ただそれだけなんですけどね」

清水「…偉い! 先生は偉いよ! それに比べて自分の秘密ときたら…うん。先生、僕の秘密も聞いてください!」

真田「いや、別にいいですよ」

清水「正直! 今すぐに誰かに先生の話をしたい! 黙り続ける自信がない! だから人質代わりに自分の秘密も聞いてください!」

真田「そこまでいうなら…」

清水「自分、この間のバレンタインデーにチョコを貰いました!!」

真田「そうですか。よかったですね」

清水「え、反応薄くないですか? 一大事ですよ、これは」

真田「というと?」

清水「あれは間違えなく本命チョコでした。でも、恥ずかしがり屋の彼女は告白が出来なかった。だから僕が、ホワイトデーのお返しと共に告白する予定です! 彼女の期待に応えないといけないので。するとどうでしょう。我々はカップルとなり、ゆくゆくは結婚することになるでしょう。しかしそれはジェダイコードを破ることになる…ほら! 一大事でしょう」

真田「いいんじゃないですか? 別に。結婚してるジェダイマスターだっているわけだし」

清水「キ=アディ=ムンディは種の存続のためだから特例でしょう! 自分はそれほど追い詰められていない!」

真田「まぁまぁ、別にいいじゃないですか。おめでとうございます。自分の知ってる人だったりします?」

清水「実は…まぁ…」

真田「へー誰だろう…?」

清水「しかし大変なのが、ホワイトデーのお返しにブランドのバッグをおねだりされてしまって…」

真田「え、もしかして影山さんですか…?」

清水「そうです! よくわかりましたね」

真田「It’s a TRAP!」

清水「え?」

真田「実は自分も、影山さんにバレンタインにチョコを貰っていて、お返しに同じところのバッグをお願いされていたんです」

清水「ど、どういうことですか?」

真田「同じバッグを2つ手に入れて、1つは質にでも出してお金にするつもりだったんでしょう。バッグはもう1つあるから売ったことはバレない…」

清水「It’s a TRAP!」

真田「でしょう!」

清水「いや、でも影山さんがそんなことをするとは考えられないし…」

真田「なにを言ってるんですか! 思えばちょこちょこおかしなところもあった…」

清水「でも…」

真田「じゃあ本人に確認してみましょう!」


二人はけていく


影山「いますぐ会いたいって、きっしょ。私にそんな簡単に会えると思うなよ。と言いたいところだけど、もうちょっと引っ張れそうだから、魔法をかけてに行ってやるか」


19場

小島と平井のシーン?


寒空の下、募金活動に勤しむ小島と平井


小島「恵まれない子供たちへの支援をお願いしまーす」

平井「お願いしまーす」

小島「恵まれない子供たちへの支援をお願いしまーす」

平井「お願いしまーす」

人通りが無くなってしまう


平井「小島さんって、STAR WARS本当に好きなんですね。この間もいきなりライトセイバーの好きな型を聞いてきたじゃないですか、ビックリしましたよ」

小島「すいません。あの時は何か話さないとと思ってちょっとテンパちゃって」

平井「いいんです、いいんです。型を知ってるってことは、小島さん小説読んでました?」

小島「え!? もしかして平井さんも読んでます?」

平井「えぇ、まぁレジェンズの方はいくつか」

小島「そうでしたかー え、どれが好きですか?」

平井「そうですね…『暗黒卿ダース・ヴェイダー』は面白かったですかね」

小島「わかります! ヴェイダーが、まだヴェイダーになりたてで体がなじんで無くて、苦戦してるんですよねー」

平井「そうなんですよ。映画じゃ恐怖の存在として圧倒的な強さを誇るのに、なんてことなさそうな相手に腕を切られたりしてて。あと、チューバッカも出てくるんですよね。ウーキーの故郷が滅ぼされちゃって…」

小島「大量に捕虜としてとらえられちゃうんですよね! あれはエピソード3と4の間を見事につないで、さらにウーキー族の物語に深みを持たせるいいエピソードでしたね~ 」

平井「ですね~ いやぁ久しぶりに読み返したいけどなぁ」

小島「持ってないんですか?」

平井「えぇ、今のシェアハウスに入るときに全部売っちゃったんですよ」

小島「シェアハウス? 平井さんシェアハウスに住んでるんですか?」

平井「はい。メンバーと一緒に。交代でご飯を作ったり、掃除をしたり。楽しいですよ、みんなSTAR WARSファンなんで。上映会したりするんです。あ、勉強会もやるんですよ。小島さんも来てくださいよ。小島さん位STAR WARSに詳しい人が来てくれたら、ディスカッションも盛り上がると思いますし」

小島「そうですかね~?」

平井「だと思いますよ~」


風が吹く


小島「さっむ! 今日は特に寒いですね」

平井「そうですね」

小島「この寒さでこれ(着ているローブ)だけって、さすがに厳しくないですか? コートとか着ちゃダメなんですかね?」

平井「寒さに耐えながら奉仕するというのも修行の一環ですから。それに、ジェダイナイトにはローブだけで十分じゃないですか。物質に固執しない。それも立派なジェダイの掟です」

小島「そういわれちゃうとそうなんですけど。ずっとこのスタイルで活動しているんですかね?」

平井「そうだと思いますよ。少なくとも自分が入った時にはもうそうでした」

小島「平井さんは活動に参加されてどのくらいになるんですか?」

平井「まだ一年経ってないくらいですかね」

小島「結構やられてるんですね! モチベーション? 原動力? ってなんなんですか?」

平井「…他にやりたいこともないですし」

小島「辞めようと思ったことは?」

平井「なんてことを言うんですか! ここを辞めるということは、ダークサイドに転向するということですよ!? ダースモールは体が真っ二つ、ドゥークー伯爵は首を刎ねられ、ダースベイダーは全身やけどで機械人間。ダークサイドに堕ちた者が皆、散々な目にあってるのは小島さんもご存じでしょう?」

小島「えぇ、それはまぁ…」

平井「それに今の自分はここを出たら、住む場所もないし、仕事もない。仕事が無いから食べていくことも出来ないし、頼れる知り合いもいない。生きていくことが出来ないんです」

小島「生きていけないって大げさな…今仕事してないんですか?」

平井「はい、すこしでも修行とオーダーの活動に時間を割きたいので」

小島「…」

平井「小島さんはいつ頃、お仕事を退職されるんですか?」

小島「え!? いや、自分は…」

平井「お仕事と奉仕活動を両立するのはなかなか大変でしょう? シェアハウスもまだ空いてる部屋ありますから。やっぱり、シェアハウスの見学も兼ねて、一回勉強会に遊びに来てくださいよ」

小島「…そうですね、考えておきますね」

平井「いやー楽しみだなぁ」

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