第5話

10場


真田と清水がいる

清水「前、出雲三部作作るって言ってたじゃないですか。なんか進展ありました?」

真田「あぁそれなんですけどね…」


真田と宮田の回想シーンへ


宮田「先生、前おっしゃってた出雲三部作のアイディア、上に軽く振ってみたんですけど…」

真田「どうなりました?」

宮田「いやーそれがちょっと厳しそうで…」

真田「えっ、あーそうですか…」

宮田「すいません。上が『今時、山中鹿之助はウケないだろう』って渋い顔してて、出雲王朝の話も、専門的にすぎて、前よりもっと取っつきにくいんじゃないかとも心配してました」

真田「それは否めないかもなぁ」

宮田「ですよねーいずれにせよ、次回作を書く場合はもうちょっと親しみやすいものをって言われると思うので、少し頭に入れといてもらえますとって感じですかねぇ」

真田「そうですかぁ…わかりました」


回想おわり


真田「ってことがありまして。今のところちょっと難しそうなんですよね」

清水「そうですか。残念」

真田「親しみやすいものって言われても、なに書いたらいいかわかんないっすよ。エゴサした時もわかりにくいって感想が結構あって、自分の中では改心の出来だったのに、そんなにギャップがあるのか…って、で編集さんにもそう言われちゃって、自信なくなっちゃってきたなぁ」

清水「出雲の話書きたいんですよね? だったら書いたらいいじゃないですか。ほら、我らが創造主、ジョージルーカスを見てみて下さいよ! 彼はSTAR WARSにおいて、どんなに批判されても自分のビジョンを描き切って、偉大な作家になったわけじゃないですか!」

真田「まぁそうなんですけど…」

清水「宇宙空間で音が聞こえるのはおかしいと指摘されても『私の宇宙ではそうなんだ』と言い切るその胆力ですよ!」

真田「そういうもんですかねぇ」



11場

〇街中

佐々木と小島が街中て募金活動をしている


佐々木「孤児への支援をお願いしまーす! 恵まれない子供たちへの募金をお願いしまーす」

小島 「孤児への支援をお願いしまーす!」


通りすがりの人が二人に近づき、募金をする


佐々木・小島「ありがとうございます!」


通行人去っていく


小島 「孤児への支援をお願いしまーす!」

佐々木「お願いしますー!」

小島 「恵まれない子供たちへの募金をお願いしまーす!」

佐々木「お願いしまーす!」


近くを通ろうとする人に遮るように前に入り、寄付を募る佐々木


佐々木「孤児への支援をお願いします!」


通行人、めんどくさそうな顔をした後、避けて通り抜けようとする


佐々木「お気持ちで構いませんので!」


通行人、しぶしぶ財布の中から小銭を取り出し、募金箱に入れる


佐々木・小島「ありがとうございまーす!」


佐々木、通行人の進路上から外れ、通してあげる

このやり取りを見ていた別の通行人が、佐々木に近づき声をかける


通行人「その集めたお金はどうすんの?」

佐々木「こども食堂を支援しているNPO法人や、児童福祉施設の支援をしている法人へ寄付し、役立てていただいております」

通行人「金を渡すだけで支援した気になるなんて、能天気でいいね。そんなのしょせん偽善でしょ。偽善者に過ぎないんだよ」


と言って去っていく


佐々木「こういう活動をしていると、あぁいう人も結構いるんですよ」

小島 「そうなんですか…」


多留がコンビニ袋を提げやってくる


多留 「お疲れ様」

佐々木「えーお疲れ様ですー!来てくださったんですか!?」

多留 「小島さんが初めて来られるというからね、顔を出しに来たよ。はい、これ差し入れ」


と言って佐々木にコンビニ袋を渡す


佐々木「ありがとうございます! あ、この方はうちのサークルのグランドマスターの多留さん。こちらが小島さんです」

多留 「始めまして。よろしく」


と言って手を差し出す多留


多留 「よ、よろしくお願いします」


と言って多留と握手をする小島

多留、小島の手を両手で包むように握り返す


多留 「さっきのような心の無いことをいってくる人もいるけど、正しいことをしてるのは我々だからね。自分を信じて頑張ってください。ダークサイドには負けないで!」

小島 「はい」

多留 「(佐々木に向かって)それで、調子はどう?」

佐々木「今のところこのくらいです」


と募金箱を多留に渡す

多留、中身を見る


多留 「おぉーこんなに! 初めてでこんだけ集まれば上出来ですよ、小島さん!さっきもよく声がよく出ていたし、なかなか才能があるんじゃないかな? さ、お茶でも飲みながらすこし休憩しよう。佐々木さん、その飲み物小島さんにも渡してあげて」

佐々木「あ、はい!」


佐々木、コンビニ袋からペットボトルを取り出し、小島に渡す


佐々木「どうぞ」

小島 「ありがとうございます」

多留 「そのローブもよく似合っているね。小島さんはどのジェダイナイトに憧れているのかな?」

小島 「そうですね…議論の分かれるとこだと思うんですけど、スキッピーですかね。自分がメカが好きってのもありますが、あの自己犠牲の精神は自分も見習いたいなと思っているんです」

佐々木「スキッピー…?」

小島 「アストロメクドロイドの…」

佐々木「あぁ! 反乱者たちに出てくる…」

小島 「それはチョッパーです。エピソード4のルークがドロイドを買いにサンドピープルのところに行くシーンがあるじゃないですか。そこで…」


話をしている3人に通行人が財布を取り出しながら近づいてくる


通行人「(財布から小銭を取り出しながら)あの…」

佐々木「募金ですか!? ありがとうございます!」


通行人、募金箱にお金を入れて去っている


多留 「人通りが出てきたね。よし。もう一押し頑張ろうか! 孤児への支援をお願いしまーす!」

小島 「お願いしまーす!」

多留 「恵まれない子供たちへの募金をお願いしまーす!」

佐々木・小島「お願いしまーす」


募金活動を続けていく

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る