第4話
7場
〇居酒屋
小島「聞いてくださいよ。この間、部長にこっぴどく怒鳴られちゃってさ」
清水「なにしたんですか?」
小島「いや、まぁ、完全に自分が悪いんだけどさ、なにも人前でそこまで怒る必要なくない? って思わない?」
清水「まぁね」
小島「そんなんだから、そのあともうテンション下がっちゃって、全然仕事やる気にならなかったわ」
清水「怒られながら仕事したくないですよねー」
真田「それは本当にそう」
小島「でも、先生は仕事で怒られることないでしょう?」
真田「そりゃまぁ、ちゃんとしてればそうそう怒られることはないですけども。けど、本を読んでくれた人が怒るっていうか、好き勝手に悪態をついてることはあるよね」
小島「あぁー」
清水「そういうのってやっぱ傷つきます?」
真田「そりゃもちろん傷つきますよ! 普通にへこむ。ちょっと自信なくなってきますよね。あと的外れなこと書かれてると、頭に来るときもありますね」
小島「おいおい、怒りの感情はジェダイの掟に反しますぞ!」
真田「それもそうですね」
小島「さ、さ、一旦落ち着いて! はい、深呼吸、深呼吸!」
真田「いや、いまは別に怒ってるわけじゃ…」
清水「いいからいいから!」
小島「はい吸って~」
真田、しぶしぶ深呼吸をする
小島「吐いて~吸って~」
数回繰り返す
小島「いや、何もないんかーい!」
真田「こっちのセリフだよ!!」
清水「あぁまた怒っちゃった」
小島「はいはい落ち着いて落ち着いて。吸って~」
真田「もういいか…」
小島、真田の方に手を置き、吸ってとジェスチャーで指示する
真田、押し切られ、しばらく深呼吸をする
小島「いや、なにも…」
真田「もういいって!!」
清水「あれ? まだ怒ってます?」
小島「はい、じゃあ深呼吸しましょうね~」
真田「無限ループ入っちゃったよ」
小島「はい、吸って~」
真田「今度こそちゃんとオチがあるんだろうね」
小島、吸って吸ってとジェスチャーをする
真田、深呼吸をし始める
しばらく深呼吸するがなにも起こらない
真田「おおおぉぉぉい!!」
小島「辛抱が足らんな。これじゃあまだまだジェダイナイトにはなれんぞ」
真田「やかましいわ!」
影山が入ってくる
影山「すいませーん、遅くなっちゃって」
小島「え、誰が呼んだの!?」
影山「私、来たらダメでした…?」
清水「そんなことないよ! 別にいいじゃないですか、新メンバー入ったって。空気も華やかになるし」
小島「なにも新メンバー入れなくたって」
真田「影山さんの何がそんなに嫌なんですか?」
小島「あ、いや、あの、えー… うーんと… 影山さん? が嫌だっていうか…」
清水「なんですか? はっきり言ってください」
小島「まぁその…ジェダイ的に女子と交流を持つっていうのはどうなんだろう? みたいな?」
真田「それは別にいいじゃないですか。女性のジェダイもいるんだし」
小島「いやでも、ジェダイである我々は、その掟により結婚することが出来ないわけじゃないですか」
真田「それはまぁそうですけど」
小島「あーもう! はっきり言います! 影山さんは怪しいって言ってるんです」
影山「えーひどーい!」
清水「おまっ! なんてこというんだよ! そんなことないからね」
小島「自分らみたいなオタクと仲良くなりたいなんていう女子は怪しさしかないじゃないですか!」
真田「そんなことないですよね? 影山さんもただただSTAR WARSが好きなだけですもんね?」
影山「そーですよ~」
小島「もういいよお前たちとはこれっきりだ!」
出ていこうとする小島
清水「ちょ、ちょっと待てって」
真田「そうですよ! 3人で行く予定だったシネマコンサートはどうするんですか? もうチケット取っちゃってるのに!」
小島「そこの女と行けばいいだろう!」
と吐き捨て去ってしまう
真田「行っちゃった…」
影山「追いかけなくてもいいんですか?」
清水「まぁそのうち戻ってくるんじゃないかなぁ」
真田「戻ってこなかったらどうします? チケット」
清水「宮田さんほんとに来ます?」
影山「行きた~い」
清水「ですって」
真田「じゃあまぁいざというときはそういうことで」
帰宅した小島
小島「くそ! あいつらなんなんだ。あんな明らかに怪しいやつに騙されやがって」
小島、SNSに以下の内容を投稿する
「あいつらがあんなにバカなやつらだとは思わなかった。あんなに忠告してやったのに、聞きやしない。だから絶縁してやった。二度と会わない」
Youtubeを見始める小島
動画を再生して、少し見ては次の動画に。少し見ては次の動画にと、様々な動画を次々に再生していく
再生する動画はそうじゃないものもあるが、STAR WARS考察系が多い
見漁っていくうちにシネマコンサートの動画に行きつく小島
指揮者が現れ、コンサートマスターと握手を交わし、指揮台に上る
小島「おいおい、美術館の次はコンサートかよ。ヤバいやつ多いんだなぁ」
8場
〇シネマコンサート会場
席に座りコンサートが始まるのを待っている真田、清水、影山
指揮者が入ってきて、コンサートマスターと握手を交わし、指揮台に上る。客席に向かって一礼、振り返り、一間おいてから指揮棒を掲げ演奏を始めようとする
指揮者が指揮棒を掲げた瞬間、平井が指揮者を押し出し指揮台へ登る
加藤も後に続いて登る
二人は瞬間接着剤を取り出し、手に塗り、自身の手と落下防止用のバーを接着、使い終わった接着剤は投げ捨てる
加藤「STAR WARSファンの皆さん! 今の社会はダークサイドに支配されているという事実に気が付いてください! 外国人に参政権を認めようとしないこの国の中枢は、人間以外の種族を認めないシスの暗黒卿、パルパティーンとなんら変わりがありません!! 帝国主義的発想です…」
警備員が出てきて落下防止用のバーを根元から引っこ抜き、バーと一緒に加藤と平井を連れていく
加藤と平井は、まさかそんな簡単にバーが抜けると思わず、呆気に取られて連れられて行く
9場
YouTubeを見ていると、STAR WARSネタを絡めた陰謀論を語る動画にたどり着く小島
次第にのめりこみ、動画に出演している人に連絡を取り、ついには活動に参加することに
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