第3話

5場

〇STARWARSコンセプトアート展

真田、小島、清水の三人でSTARWARSのコンセプトアート展に来て絵を眺めている


清水「いやーこの絵すごいな~躍動感が伝わってくるわ」

真田「これどの機体ですかね? ルークが乗ってるってことは、AかYかXウイングのどれかだろうと思うけど」

小島「Aウイングですね。まずYウイングにはこの絵のような太いシートベルトはありません。決定的なのが、窓の下にある操作盤。これはXウイングにはありません。またルークの衣装からもAウイングであることが推察できますね。よーく見てみてください」

真田「どれどれ…」


まじまじと絵を眺める清水と真田


清水「わかった! 襟周りですね! 通常の戦闘服に比べて襟が高く、モコッとしてる感じがする!」

真田「寒冷地仕様になってるわけですね! オリジナル・トリロジーで寒冷の星と言えばホス」

清水「ホスでルークが乗っていたのはAウイング! つまりこの絵の機体はAウイング!QED!」

小島「ザッツライト!」

清水「為になったね~」


三人はけていく

入れ違いに加藤と平井が駆け込んでくる

加藤、絵にトマト缶の中身を投げつける

平井、その様子をスマートフォンで撮影している


加藤「STAR WARSファンの皆さん! 今の社会はダークサイドに支配されているという事実に気が付いてください! 世界各地で起こっている紛争、パンデミック、すべてダークサイドが引き起こしたものです。憲法改正もダークサイドが実効支配に向けた布石です! このままでは帝国の支配する暗黒の時代が始まります。皆で食い止めましょう! ダークサイドと戦いましょう!」


野次馬が集まってくる

野次馬は騒動に向けてスマートフォンを向けている。撮影をしているようだ

警備員が来て、加藤を連れて行こうとする


加藤「やめてください! 触らないでください!」

平井「放してあげてください!」


と言いながら、警備員を加藤から引きはがそうとする


加藤「いたいいたいいたい!」

平井「これは暴力です!」

加藤「男性から暴力を受けています! 男女差別です!」

平井「このミュージアムでは男女差別を認めているんですか!? そんなことで良いんですか!?」


警備員、加藤と平井を外へ連れ出す

加藤と平井は連れ出されている間もわーわー騒いでいる


野次馬A「コンセプトアート展にヤバいやついた」


とSNSに投稿する

SNSを見たモブ

モブ「くっそ迷惑」

モブ「環境系暴力団だんだんすごくなってきてる」

モブ「いい加減環境破壊すんのやめろ」

モブ「環境活動じゃなくて環境邪魔隊では...」

モブ「環境=テロ、というような印象操作をして得をするのは誰だろう、と考えてしまいます」

モブ「こうやって報道しちゃうのがもう悪手では? 活動家もこうやって報道してもらう事に意義を見出してそうだし」

小島「うわ、今日騒ぎになってたのこれか…やば…うん? LINEだ」


影山「今度二人っきりで会えませんか? もっとSTARWARSについて教えて欲しいな?」



6場

〇ファミリーレストラン

影山が待っているところに清水が段ボール箱を持って入ってくる


清水「ごめん、お待たせ~というかファミレスなんかでよかったの? もっとこう、いわゆるインスタ映え? するようなカフェとかじゃなくて」

影山「いいんです~私学校が忙しくて、あんまりバイトしてる時間ないからお金なくて」

清水「そうなの? 別にそれくらいならご馳走したのに。さて、まずはなにからおしえようかな?」

影山「まずは、清水さんがSTARWARSのどんなところが好きなのか聞きたいかな?」

清水「なるほど…まず、STAR WARS って大河なんだよ。実は映画以外にも、アニメ・ドラマ・小説・漫画にも展開しているんだ。映画が一番なのは間違えないとして、やっぱりアニメシリーズもいいよねぇ」

影山「アニメもあるんですね~」

清水「うん!アニメシリーズいくつかあるんだけど、クローンウォーズがおススメかな? オリジナルのキャラクターが中心の反乱者たち、バットバッチに比べてクローンウォーズは映画のエピソード2と3の間を描いていて、それゆえにアナキンスカイウォーカーなどお馴染みのキャラクターが多数出てくるので」

影山「なるほど~」

清水「さらに映画に出てきたプロ・クーンみたいな活躍のあまり描かれていないキャラクターを中心とした回もあるから面白いんだ!」

影山「すごーい! 見てみようかな? 何話くらいあるんですか?」

清水「133話!」

影山「え?」

清水「全部で7シーズンあるんだけど、特にシーズン2のエピソードは…」


早送りになる


清水「ていうことなんですね~」

影山「へ、へー…」

影山「そうそう、面白い話と言えば、コミックスのエピソードなんだけど、『STAR WARSテイルズ』っていうタイトルのコミックスがあってね。短編集なんだけど、この中の『ジェダイドロイド スキッピー』っていう話がいい話でね。エピソード4の序盤にルークとR2が出会うところあるじゃないですか。そんときに『そっちの赤いのも』って言われてたやつ。スキッピーっていうんですけど、アイツがショートしたのも理由があって。実はあいつにフォースがあって、R2が宇宙を救う未来が見えたんです。だから自分自身でショートして、ルークにR2を選ばせるっていうことをしたんです。自己犠牲の精神ですよ! 良くないですか!?」


店員が入ってきて、二人に声をかける


店員「お話し中すいません。お席のお時間になりますのでお会計のほうをお願いいたします」

影山「あぁ、すいません、すぐに出ますね。今日は色々と教えていただき、ありがとうございました。アニメシリーズ見てみますね。あ、そうだ。今日のことは他の人には言わないでくださいね。二人だけの約束ですよ?」

清水「へぇ!? おう! わかった! じゃあまた!」


清水、いなくなる

入れ替わりで真田が来る


真田「さぁて何から話したらいいかな?」

影山「まずは、真田さんがSTARWARSのどんなところが好きなのか聞きたいかな?」

真田「わかった。まずSTAR WARS って大河なんだよ。実は映画以外にも、アニメ・ドラマ・小説・漫画にも展開しているんだ。で、僕が好きなのは小説! 今日はお貸しするためにいくつかお持ちしました!」

影山「えーうれしーありがとうございますー」

真田「これは僕の一押し、クローン大戦ノベルシリーズの破砕点(シャッターポイント)。このシリーズは映画に出てくるオビワンだとか、アナキンを主人公にしたスピンオフシリーズなんですけど、シャッターポイントはメイス・ウィンドゥが主人公の傑作です。で、これがブラックフリート3部作全6巻。エピソード6以降の新共和国時代を描いた作品です。新共和国時代と言えば、スローン3部作とハンド・オブ・スローン2部作も外せません。そしてこれが目玉のニュー・ジェダイ・オーダー・シリーズ!! 全21巻、上下合わせて42巻からなる超大作! 全42巻っていうのは、ドラゴンボールと同じなんだけど、ドラゴンボールが1984年から1995年までの11年かけて書かれたのに対して、こちらは、1999年から2003年までの5年ほどで書かれました。自分が集め始めたのが高校生くらいだと思うんですけど、その頃はまだ、今みたいなネットショッピングがなかったからね。色んなところのブックオフを巡ってね、やっとの思いで全部揃えたんだ。けど今ちょっと『魔都潜入』の下巻が行方不明だから、次までには見つけ出しますので。そしてこれが…」

影山「すごいいっぱい持ってきてくれたんですね~でもこんなにたくさん持って帰れるかなぁ?」

真田「大丈夫! あと2冊だけだから」

影山「そ、そうなんだ~それなら持って帰れるかなぁ」

真田「最後がこちら『シャドウ オブ ジ エンパイヤ』!」


と言ってハードカバーの本を2冊取り出す真田

それを見てうなだれる影山


真田「これは…」


早送りになる


真田「まぁここまで説明したやつはシークエル・トリロジー、つまりエピソード7以降の作品の製作と共にレジェンズという非正史の扱い、つまり無かったことになっちゃったんだけどね。あんな続編を作るくらいならスローン三部作を元にした映画を作った方がよっぽど面白かっただろうに。そしてここからシークエル・トリロジー後にリリースされたタイトル。みんな大好きグランドモフターキンを主人公とした作品!前日譚が描かれ、ベイダー卿も登場する傑作です!」

影山「なるほどー詳しいんですね」

真田「前日譚でいうとスキッピーっていうアストロメクドロイドがいてね、そいつの話が面白いんだ! 『STAR WARSテイルズ』っていうタイトルのコミックスがあってね。短編集なんだけど、この中の『ジェダイドロイド スキッピー』っていう話がいい話でね。エピソード4の序盤にルークとR2が出会うところあるじゃないですか。そんときに『そっちの赤いのも』って言われてたやつ。スキッピーっていうんですけど、アイツがショートしたのも理由があって。実はあいつにフォースがあって、R2が宇宙を救う未来が見えたんです。だから自分自身でショートして、ルークにR2を選ばせるっていうことをしたんです。自己犠牲の精神ですよ! 良くないですか!?」

影山「そうだ!!」

真田「え?」

影山「この間もらった本、読みましたよ! すっごく面白かったです!」

真田「もう読んで頂けたんですか! 気を使ってもらっちゃって、なんだかすいません」

影山「そういうんじゃないですから。ほんと面白くて、読むのが止まらなかったんです」

真田「いやーそういってもらえると嬉しいですねー」


店員が入ってきて、二人に声をかける


店員「お話し中すいません。お席のお時間になりますのでお会計のほうをお願いいたします」

影山「あぁすいません。出ましょうか」

真田「そうですね」

影山「先生って、ご自宅で本を書かれてるんですか?」

真田「ええ」

影山「へーどんな感じで書いてるのか見てみたいなぁ。今度おうちに遊びに行ってもいいですか?」

真田「もちろん! いつでも遊びに来てください! 時間の融通はいくらでも利くので」

影山「わーありがとうございますー! あ、このことは他の人には内緒にしてくださいね。今日のことも。二人だけの秘密でお願いします」

真田「あ、あ、はい! じゃ、じゃあまた!」


真田がいなくなる

入れ替わりで小島が入ってくる


小島「さて、なにからはなそうか」

影山「まずは、小島さんがSTARWARSのどんなところが好きなのか聞きたいかな?」

小島「なるほど…STARWARSは大河だなんていう人もいるよね。わかる。映画以外にもアニメ・ドラマ・小説・漫画にも展開されていて連綿と続く物語だからね。それも面白い。けど、やっぱり一番大事なのは、キャラクターとかメカの造形かなぁ。戦闘機の模型なんかも集めてるんだ。ミレニアムファルコン号ってあるでしょ? あれの映画で使われたミニチュアって、実はタミヤのプラモデルのパーツなんかが使われてたりするんだ」

影山「へ~知らなかった~」

小島「それから、ナブースターファイターにはね…」


早送りになる


小島「これがタナヴィーIIIの特徴なんだ」

影山「へぇ~すごーい!」

小島「あと特徴的なもとといえば、ドロイドもあるよね。自分が好きなドロイドはチャッピーっていうアストロメクドロイドなんですけど、まぁこれに関しては造形もあるけど映画には書かれていないエピソードがあってね。それが好きなんですよ。『STAR WARSテイルズ』っていうタイトルのコミックスがあって。短編集なんだけど、この中の『ジェダイドロイド スキッピー』っていう話がいい話でね。エピソード4の序盤にルークとR2が出会うところあるじゃないですか。そんときに『そっちの赤いのも』って言われてたやつ。スキッピーっていうんですけど、アイツがショートしたのも理由があって。実はあいつにフォースがあって、R2が宇宙を救う未来が見えたんです。だから自分自身でショートして、ルークにR2を選ばせるっていうことをしたんです。自己犠牲の精神ですよ! 良くないですか!?」

影山「へぇ~すごーい! ねぇねぇ、ファルコン号の模型も持ってるの?」

小島「もちろん」

影山「えーすごーい! 見てみたーい!」

小島「いや、それはちょっと…」

影山「今度遊びに行ってもいいですか~」


苦い顔をする小島


影山「お願いしますっ」


店員が入ってきて、二人に声をかける


店員「お話し中すいません。お席のお時間になりますのでお会計のほうをお願いいたします」

影山「あ、はい。すぐ出ますね。今日は宇宙船のことを色々と細かく教えてくれてありがとうございました! 今日のことは他の人には話さないでくださいね? 二人だけの秘密でお願いします。あと、いつかファルコン号見に行かせてくださいね?」

小島「いや、まぁ、はい。いつか」


小島、去っていく


影山、SNSに「今日は色々と教えてもらっちゃた! 楽しかったし、また教えて欲しいな~」と投稿する

それを見た清水、真田喜んでいる、小島は喜びつつもどこか怪しんでる様子

影山続けて、裏アカウントに「あいつらほんとキモすぎ。興味のない話をベラベラと数時間も。だからモテないんだよ。まぁどうせあいつらとはホワイトデーまで。あとすこしの辛抱。我慢我慢」と投稿する

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