第三話 Ga.地底人GON

まあ地底に住んでる者をすべて地底人と言うのが普通でしょうが、その中でも特に巨大な存在を「Ga.地底人」。そう呼んでる。


第1地底エリアは広い。地表で言えばユーラシア大陸と同じ大きさが、そっくり100キロ真下にあると思っていい。ヨーロッパ、ロシア、中東、中近東、そしてアフリカ。しかし様相はまったく違う。8000メートル級の山脈も存在するし、地上で云う黒海や、カスピ海に似た湖もある。


でもここは、通常言われてるパラレルワールドでは無い。次元構造は同じ、何故なら波動は3次元だからだ。



①(GONゴン)

第1エリアの中で、三本指の手と足を持つ最大級の種族。GONの身長は100メートル。巨人族の10倍だ。タワーマンションで言えば25階に相当する。GONは他のGa.地底人の中でも若い。好奇心が強過ぎてよく迷子になっている。


今日は一族と一緒に湾に来た。


ここはお気に入りの場所だ。地表で言えば地中海のような所だ。


天気の良い日は遠くまで見通せ、彼らは普通に水浴びが出来てしまう。


〜高波もまったく問題無いね〜


GONはプールの監視員みたいな存在だな。湾の遠くに何体もの巨大な地底人がプカプカ浮いているのは圧巻だ。



〜雲一つない空 

 穏やかな海〜



シーラカンスに似ている生物は

背びれを揺らせながら

優雅に泳いでいる


〜魚もタコも巨大だ〜


タコは生で食べられてしまってるけど、塩味が効いて美味しいらしい。食事シーンは見せられないけど、調和のとれた世界ではお互い了承の上だ 


〜あっ!巨人族の船が出て来た〜


いつもの時間だ オールで漕いでる


巨人族は陽に焼けていて、鼻は高く髪が腰まで伸びている。単純な道具で、上手に魚を捕まえる。今日は3メートルのマグロに似た魚を捕まえ早々に船に乗せた。


〜相変わらず手際がいい〜 


ギラギラしたエネルギー球体は陸地に十分にエネルギーを与えたあと、午後になるとブルーがかった色に変化した。優雅さと、どちらかと言うと受動的な精神状態に世界を彩るためだ。


次第に、街の雰囲気は変わっていった…


GONたちが帰っていった後には、街に大量の食糧が置かれていた。1ヶ月以上食べても食べ切れない程だ。皆が調和し、助け合っていく世界は美しい。真っ暗な空に煌々と、黄金色のエネルギー球体が、ゆらゆらと海を照らしていた。




②(GENゲン)

GENゲンというGa.地底人も同じ第一エリアにいる。GENは一本角と褐色の肌が特徴的な種族だ。地上で言えばアフリカ大陸、特にエチオピア、ケニア、スーダンに住む民族にイメージが似ているかもしれない。角は生えてない種族だ。


灼熱エリアだが地表より過ごしやすい。なぜなら常に地底風が吹いて、地熱を吹き飛ばしているからだ。今日もエネルギー球体からの光が強く、熱帯雨林に近い気候になっている。しのぎやすい気候だ。ここは植物を巨大化し、動物達を活性化させる。それにしても第1エリアは広大だ。



〜おっと、目の前を巨大なライオンが走っていった〜


ふと思った。


〜地表って何のためにあるんだ?〜


立体的な地底世界に比べて平面すぎる。何か制限されたフィールドで訓練するところか?肉体とか精神とか、それ以上のものをね…。もしかして地表にいる存在って、地下以上にやさしく見守っている存在がいるのではないか。そんな気がしてならない。


ユーラシアとアフリカが、エジプトでつながっているとすれば、地表は大きく分けて4つの大陸から構成されている。何のために地表の大陸は存在しているのか?海とは一体何なんだ?この地下世界だけで良いではないか!


〜地球神のお心はいかに〜

〜アレッ!聞いてます?〜


GENの身長は80メートル。それでも大きいでしょ!タワーマンションなら22階相当だ。


今日も広すぎる草原で…

〜何かが起きそうな気がする…



③(GANガン)

GANガンは緑の草原と白い雲が似合う地底人。第1地底エリアの中央部に位置する場所に住んでいる。ここは地上で云う高原&草原地帯だ。カザフスタン、ウズベキスタンのような場所にあると思ってくれればいい。まわりを囲む黄色い山脈は8000メートル級が多いが、最高峰は25000メートルに達する。地上にはない高さだ。


今日もエネルギー球体は分け隔てなく動いて、光と熱エネルギーを放出している。1円も取らないフリーエネルギーだ。よく考えたら風もそうだ。波もそうだ。常に動いているエネルギーだ。地底世界は特に実感できる。


うんっ!巨大な馬が?


デカい馬がいる。


地底人の乗り物になっているのか!


GANの身長は60メートル。タワマンで言えば20階レベル。さっきの馬も腰の高さで50メートルはあったな。馬に跨った状態だと80メートルくらいだ。相当なものだ。


GANは知らぬ間に

馬に乗ってどこかに行ってしまった〜


爽やかな風が

どこからともなく吹いて来た。

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