第二話 隠された世界
〜うん、ここはどこだ?
あっ地底世界だな〜
今日はいつになく穏やかな日だ。気分爽快っていうのはこういう事だろう。地表はジリジリと暑い日が続くが…東京くらいだろうこんな暑いのは。確かに10年前に比べてもこの暑さは異常だ。フライパンで焼かれているみたいな暑さだ。北風と太陽ならわかるが、すでに度を越してるよ。
(第1地底エリア)
第1エリアと呼ばれてる深さ100キロゾーンには、多くの生物が暮らしている。また地表の歴史の中で消えた存在もいる。
〜巨人がいる〜
身長は10メートルから、大きいものは30メートルくらいだ。かつて地表にいたらしいが、都合が悪くなったのか、今は地下世界に暮らしている。羽根の生えた赤、白、黒、青のドラゴンも優雅に空を飛んでいる。たまに天蓋の海に着水している姿を目撃される。邪悪なモノも地表近くにはいるが、大半は協調的で仲の良い存在だ。
〜恐竜もいる〜
確かにあれは恐竜だ。水辺でくつろぐ首長竜。肉食竜もいるが、話を聞いているより穏やかなイメージだ。牛や豚のような生き物もいる。鳥たちも、そして昆虫、川を泳ぐ魚さえも皆大きい。そして全ての動きがゆっくりだ。
時間の流れは当然地上と異なる。全てはエネルギー球体の流れに従う形だ。地底世界にはルールがある。そして掟がある。みんなそれを守ってる。そうした上でそれぞれの向上を目指して修行している様にみえる…
地表では天蓋の外側が、今のところ宇宙空間と言われている。実は誰も行った事が無いんじゃないかって、最近言われてる。でもこの地下空間だって、その周りがどうなっているかは、ここの住人達だって大半は知らない。
〜空は広く そして青い
そして 大海原が広がっている〜
なぜか不思議と懐かしいこの地底の地面から空を見上げると、定期的に雲のような白波が見え隠れする。なんとも美しい光景だ。そして大海原が荒れてくると、雲が自然に出来て地上にやわらかな雨が降ってくる。地上に潤いを与える瞬間だ。地表の様に、インビジブルな飛行機飛ばして、人工的な気候を作っていない。共有する世界を、ここに住んでる生き物たちは大切にしているからだ。身勝手な事をするものは少ない。
浅いエリアの住人がいる。地表に近い深さ20キロ以内に住んでいる者達と聞いている。彼らは遠い惑星から来たらしい、そして地表の生物に対して少し悪い事をする。自分たちは良かれと思ってしているかもしれないが、少しずれてる。優秀なもの、強いものが生き残ればいいんだ、という思想を持っている。調和とか愛とかが性に合わないようだ。奴らの考え方に違和感を感じる人は多いが、非常に数術的に先を読み、科学技術が進んでいるので、引っ張られてしまう事が多い。
〜宇宙からの飛来者もいる〜
協定により文明干渉は出来ない事になってる。はるかに進んだテクノロジーを持つ宇宙存在は、ここを一旦拠点にして地上との調整を行なっている。
この惑星の本当の姿を知る人は、ほぼいないでしょう。事実を知っている人はどれだけいるのでしょう?
〜知らなくていい事は知らない方がいい〜
知ったからと言って、今の地球人とくに表層人類は、3歩歩けば忘れる。これが現実。同じ生命体として辛いところだ。しかし歴史は止まることなく、永遠の大道を歩んでいる。どんな生命体も繰り返し繰り返し、何かを求め修行していると思っている。すべての生きとし生けるもののサダメだ。
〜奥が深いな…
イヤイヤそうでもないよ(笑)
60年ほど前に英国エジンバラの作家、アーサーコナンドイルが「失われた世界」を世に問うた。冒険小説であり、SF小説であった。中身はここで説明しないが、この小説で地下世界に興味を持った人も多かったに違いない。最近ではあの元CIAエドワードスノーデンが地下世界の事を発表したり、今やSF世界の話では無くなりつつある。
〜いい時代になったな〜
しかし実際この目で見ていない、見ない事には信じられないって言うのが大半の人間。そう言った話は時間とともに単なる噂話で終わってしまう事が多い。だからいつも思ってる…
〜もしかしたら騙されてないかってね〜
それにしてもこの世界って…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます