天は天の上に人を造らず、人の下に人を造らず、と言へり。

  古来、太陽は神の象徴であった。
 それは古代エジプトや古代ギリシアからキリスト教の時代に至っても変わる事はなく、またこの日本に於いても同様であった。
 故にこそ朝でも輝く金星は傲慢な者だとされ、その象徴とされた天使も堕天使とされた。
 つまるところ太陽に近付いた者は、須く罰せられるべきである……そういった思想が存在していた。 故に天使は堕し、蝋は溶ける。そうやって人は太陽を、その天を神聖視した。
 ですが、この場合……太陽に近付き、真に堕した者は誰だろうか?それは最も太陽を真似た存在なのか、それに迫らんとした者なのか、その両方なのか。

全ての惑星は、太陽の光を映し、時に紅く、時に蒼く……時に黄金に輝く。夜明けの明星。
これは、そんな明星の物語だと思いました。ご馳走様でした。