第23話 海ねこに変身
僕はあれから数日、いつも通りだ。
9月の暑さも少しやわらぐ。
学校も平和だ。
特別のイベントもない。
氷川丸をのみ込もうとした大ダコ。
幻?だったのか?
まあいいっか。
僕は窓から顔を出す。
夜風が気持ちいい。
見える山下公園、停泊中の船の赤い明かり。
特に変わったことはない。
また退屈な毎日の繰り返しか。
「が、しかーし!イベントがなければ、
イベントは自分でつくればいい!
俺様、天才!」
「カイ、いつから俺様キャラになったんだ。」
マンガ読みチップを食べ、
ベットにひっくりかえるユウキ。
保育園から一緒の幼なじみだ。
「おいユウキ、ベットにチップこぼすなよ!」
「わかってる。」返事はするが、バリバリと
こぼす音。
今日は土曜。明日は学校もユウキの部活も休みだ。
イベントはユウキと夜通しゲームをすることだ。チーム戦は深夜繰り広げられる。
海外組も参加イベントだ。
こんなときの友はユウキだ。
ゲーム開始まで時間がある。
「ガタン。」ドアが開く。
「ユウキ。久しぶり。」兄貴だ。
「リクさん、こんばんわ。お邪魔してます。」
「ユウキ、カイに付き合うのもほどほどで、
いいからな。
ゲームとなるとカイは時間を忘れるからな。
寝たくなったらいつでもやめて寝ていいんからな。」
「ありがとうございます。その時はリクさんとこへ避難させてもらいます。」
「あー、じゃな。」兄貴は自分の部屋に戻った。
「カイ、リクさんやっぱ、カッコイイよな。」
「そっか?」そっけなく言ったが正直、自慢の兄貴だ。
「そうだ、思い出た。兄貴がこの間13才になると魔女デルタが会いに来るって噂、
ユウキ知ってた?」
「聞いたことある。」
「えっ。知ってるのか。」
「俺は姉貴から聞いてた。女子はその類の話、好きだろう。
13才になると魔女デルタが毎年一人だけを異世界に連れて行くんだってさ。
そこで魔女の下僕としてこき使われるらしい。」
「下僕?なんだそれ。それから?」
「あとは知らない。どうせ、単なる噂だ。
都市伝説だろう。」
「なあユウキ、その話、信じるか?」
「な、わけないだろう。」
「僕、会ったんだ。その魔女デルタに。」
「カイ、冗談はよせよ。」その瞬間大きな風が窓から。
目の前に魔女デルタが。「カイ、寝るな。
起きろ。時空移動遅いぞ。
もとの世界の時間が動きだした。行くぞ。」
「カイ。その・・・」ユウキが驚いてチップをベットにこぼした。
「お前も一緒に来い。」
魔女デルタが光をあてる。僕ら2人は海ねこの姿に変身した。
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