第2話 口を閉ざす友人
朝、教室に入ると、ザワザワとした雑談があちらこちらから聴こえてきた。
「おはよう詩音」
挨拶してきたのは親友のマナだ。
「おはようマナ」
カバンを机の横に立て掛けると私は椅子に座った。マナは私の机にお尻を乗せるように座った。
「ねぇマナ、訊きたいことがあるんだけどいい?」
「え?なに?」
「あのね、山崎君の彼女って誰なの?」
「えっ?詩音知らないの?てか逆になんで知らないの?」
「なんでマナは私が山崎君の彼女を知っていると思っているの?」
私がそう言うとマナは顔をしかめた。まるで私に同情するみたいに。
「ちょっと詩音には言われへんわ。」
「なんで?なんで?」
私に言えないってどういうことだろうか。よっぽど問題のある人物なんだろうか。
「マナ友達でしょ?言ってよ」
「友達やから言われへんの。詩音はもう山崎君のこと忘れて」
「忘れられないよそんな簡単に」
「受験生でしょ、詩音は。勉強しないと」
私の疑念は深まるばかりだった。
しかしこの後、私は真実を知って身体が半分に折れるほど反り返り、仰天することになる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます