第4話
里美は電話を受けたとき、真由美の妹が何を言っているのか、すぐにはわからなかった。
言葉が言葉として聞こえず、何か悪い呪文でも唱えられたかのように体が痺れた。
妹は震える声で姉の死を告げると、力尽きたように無言になりそのまま電話は切られた。
それからのことは、あまり覚えていない。
夢中でタンスをあさり、ジーンズにパーカーを羽織った。
いつもならコンビニに行くときでさえばっちりメイクを決め、髪の毛を立て巻きにカールしてでかける里美だったが、今はスッピンにメガネ姿だ。
早朝のため、人通りはほとんどない。
里美は、赤信号を無視してがむしゃらにペダルを漕ぎ続けた。
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