278g の日常。
深夜のコンビニ。青木瑠璃(26)は、レジ横の小さな椅子で必死に教科書を読んでいた。
「閉店後の棚卸し、終わったかな?」
店長の声に、瑠璃は慌てて立ち上がる。
「はい、全部終わりました!」
疲れた表情を隠しきれない瑠璃に、店長は優しく微笑む。
「青木さん、よく頑張ってるね。大学との両立、大変だろう」
「ありがとうございます。なんとかやってます」
早朝、瑠璃は眠い目をこすりながら大学へ向かう。電車の中で立ったまま居眠りをしながら、午前の講義の復習をする。
「心理学概論...眠い...でも頑張らなきゃ」
講義室。瑠璃は前列に座り、必死にノートを取る。教授の言葉を一つも聞き逃すまいと、全神経を集中させている。
「カウンセラーになるには、まだまだ勉強が足りない...」
昼休み、瑠璃は図書館で友人の織田と待ち合わせる。
「瑠璃ちゃん、また徹夜?顔色悪いよ」
「うん、レポート締め切りと夜勤が重なっちゃって...」
「無理しすぎないでね。私も手伝えることあったら言ってね」
瑠璃は感謝の笑顔を見せる。しかし、その目には疲労の色が濃く滲んでいた。
午後の実習。瑠璃はグループワークでリーダーを務める。
「じゃあ、次はロールプレイをしてみましょう。私がクライアント役をやります」
緊張しながらも、瑠璃は堂々とグループをリードしていく。実習後、教授から褒められ、瑠璃の顔がぱっと明るくなる。
「やればできるんだ。私にも、まだまだ可能性がある」
夕方、瑠璃はアルバイトのシフトに向かう。コンビニの制服に着替えながら、彼女は小さなため息をつく。
「あと2年。2年頑張れば、夢に近づける」
レジに立つ瑠璃。疲れた表情の中にも、どこか希望の光が宿っている。
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