第5話 魔王城

オリバーが魔王城の門に差し掛かった頃

魔王城門付近の木の陰には2つの気配があった


「おい。運があったぞ。また来た」

「へえ。今度はどうだろうな。ちゃんと受け入れるてくれるといいけど」

「受け入れてもらわなくては困る!これでだめなら俺達は消えるしかないぞ」


オリバーが門前で止まる

もどかしいな。早く他のやつみたいに蹴破っていけ

「ごめんくださーい」


はあ!?なんだこいつ…大丈夫か

「今回も駄目かもなぁ。なんだあれ。ぬるま湯すぎる」

「希望がないわけじゃないだろ。」


『どうぞお入りください』


魔法で声を合成して先回りする

魔王の所へはすぐに辿り着くはずだ

頼むからうまくいってくれ

もう、苦しいんだ


「大丈夫か?手を貸してやるからつかまれ」

「あぁ…悪い。早く行こう」


苦しいのは俺だけじゃない

最後まで諦めんな!

頑張ろう

くそ…今までの恩を仇で返しやがって

どっちに転んでも絶対に許さないからな


とにかく今は魔王の部屋へ…

間に合わなくなったら大変だ


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

魔王城の中は普通の城だ

ただ、あちこちに

魔王こっちハート

魔王のお部屋はこちらです( ◜◡◝ )

みたいな張り紙がある


「わな…?」

でもたしかにこっちなんだよなぁ

気配とか


一体なんなんだこれは…


それにこの3日特に魔物にも会わず、城に入ってからも魔物1匹いない

10年ほど前から急に暴れだして村を破壊する魔物が頻発し魔物の脅威度は上がり、魔物が活性化しているのではないかと聞くが…


あと何処かから見ているみたいな気配も気になる

気を抜かないで行こう



一際豪華な扉の前に出た

扉には

魔王の部屋!welcome

って貼ってあって、ティッシュの花が飾られている

お遊戯会かな…?


中からは不気味なうめき声がしていた。


このコントラストがなんとも恐ろしい

気をつけながら扉を開ける







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