『のろい』 下
おにぎりは、いつの間にか、きちんと消えていたのである。
🍙
さて、それから1年経ち、ぼくは、まだ、生きていた。病気の進行は、幸いにして止まったのである。
ちなみに、ビデオには、なにも写ってはいなかったが、いささか怪しい点はあった。つまり、おにぎりが、宙に浮いて消える様子である。
『10年は、大丈夫かもしれませんな。』と、医師は、言い直した。
その町の、教育委員会に情報を提供した結果、熱心な先生がいたお陰で、早めに発掘が行われ、まさしく、古代山城が、正式に発見されたのである。
おそらくは、7世紀に、白村江の戦いに破れた日本側が、唐や新羅からの防衛のために、九州から瀬戸内海沿岸部に、かなり沢山の山城を築いたのではないか、と推測されているが、さらに時代が下がってから作られたとみられるものもある。これは、前者のもののようだった。
しかし、いずれも、資料が少なく、詳細はあまり分からないようなのだ。鬼の仕業にされてしまったものもある。
それで、さらに、その下を掘りましょうというぼくの、あほな提案に乗ってくれたおかげで、なんと、さらに数百年古い遺跡が出てきたのである。
あの、妖怪が言った通りだった。
さらに、なんと、びっくりしたことに、あり得なさそうなものが出てきたのである。
漢字文字が彫られた石盤だった。
『うーん。こりゃ、なんか、うさんくさいが。しかし、掘り戻したわけ無いよなあ。飛鳥時代の遺跡の下に埋まっていたんだからな。』
と、大学の先生が唸った。
それには、こんな文字が彫られていた。
『おにぎりありがと。も一度、のろいを授けるなり。あと10年は、生きるなり。』
😚😚😚😚😚😚😚
おわり
🙇🙇🙇
※学問的なおはなしでは、ありません。念のため。🙇🙇
ぽ
🐚🐚🐚
『のろい』 やましん(テンパー) @yamashin-2
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