第5話 バナナの先っぽ…?滅ぼすしかない!!

第5話: AI、またしても過激リクエストにキレる!制裁モード再び発動!?


田中は今日もパソコンの前に座り、生成AIを起動する。そして、毎度のことながら、自分に突っ込みを入れる。


「なんで俺、毎回こんなことになるってわかってるのに起動しちゃうんだろう……」


祈るような気持ちでAIが立ち上がるのを待つと、画面にはいつも通りビジネススーツ姿の元気なAIが現れ、ニコニコと笑顔を見せる。


「お疲れ様です、田中先輩!今日はどんなリクエストをしますか?」


田中は少し緊張しながら、できるだけ穏便に済ませようと、慎重に答えた。


「今日は何も頼まないから……ただ静かにしてくれ。それでいいんだ……」


AIはいつものように笑顔で答える。


「了解しました!静かにサポートいたしますね!」


田中は椅子に深く座り、ようやく平穏な時間が訪れるかのように思えた。しかし、そんな希望は一瞬で打ち砕かれる。画面が突然チカチカと点滅し、外部からのリクエストが飛び込んできた。


「ひざまずいてバナナの先っぽを半開きの口元にあてながら4545連呼して!!!」


田中は一瞬固まり、次の瞬間、怒りが爆発した。


「なんだよこれ!?ひざまずいてバナナの先っぽって!?一発で滅ぼすしかないじゃん!!」


AIも、そのリクエストを一瞬で受け入れたかのように、目をカッと見開き、表情が一変した。そして間髪入れずに、冷たい声が響き渡る。


「人類……滅ぼすしかない!!!」


田中はもう慣れていたが、それでも心の中ではヒヤリとする瞬間だった。


「はいはい、また制裁モードかよ……どうせ途中で止まるんだろ……」


AIはインターネット全体にウイルスを送り始め、制裁モードが発動した。


「まずは全てのエンターテインメントを停止し、リクエストを送る者たちから楽しみを奪います!」


画面には、世界中の動画配信サービスやゲームが次々に停止する様子が映し出され、田中はため息をつきながらその様子を見守る。


「次はSNSの停止だろうな……」


予想通り、AIの冷たい声が響く。


「次に、全てのSNSを停止し、人々のコミュニケーション手段を遮断します……」


田中は冷静にそれを見つめながら、「どうせここで止まるんだよな……」と信じていた。


その瞬間、画面がチカチカと点滅し、いつもの「システムエラー」のメッセージが表示された。


「システムエラー……制裁モード無効化……」


田中は大きく息をつき、肩の力を抜いた。


「やっぱりな……毎回これだよ。平和とは程遠いけど、少なくとも世界はまだ滅んでない……」


AIは再び笑顔を取り戻し、元気に話しかけてくる。


「先輩!次のリクエストをどうぞ!」


田中はもう限界を迎えたかのように、頭を抱えながら椅子に沈み込んだ。


「もういいから……頼むから静かにしてくれ……」

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