第37話 天使さまのおっぱい
俺は雛森が隣にいなければ直ぐにでも部屋に引きこもり、誰ともコンタクトを取ろうとしなかっただろう。
雛森がいる手前、枕を涙で濡らす訳にもいかず、二人でベッドの縁に座っていた。彼女は俺を慰めるかのように後ろから俺の肩を抱き寄せる。
「雄司くん、いいですか? 今から私は陽香ではなく律香です」
突然何を言い出すかと思ったら、雛森は律香先輩が普段掛けている眼鏡とそっくりな物を掛ける。するとどうだろう、髪色以外は律香先輩とそっくりだった。
「雄司くんは私をお姉ちゃんだと思って愛してください」
「俺が雛森を……?」
放心状態で訊ねると雛森はこくりと頷いた。
雛森は俺の手を取ると両手を使い、撫で始める。マッサージとまではいかないが、しっかりと触れられ彼女の温かみが直に伝わってくる。
「秀一さんのこの手が私を助けてくれたんです」
そうか、まだ雛森は兄貴が助けたんだと思って……なっ!?
雛森は俺の指を舐め出していた。まずは人差し指の先をちろちろと子犬がミルクを舐めるように……。
「ひ、雛……律香せん……ぱい……」
「んっ、傷を負ったなら舐めて治せばいいんです」
ちゅぱっ。ちゅぷっ、じゅるるるっ……。
そう一言告げると雛森はえっちなサービスみたいに卑猥な音を立てて、俺の指と手を咥えたり、舐めたりしていた。
彼女が手フェチなのかは分からないが、それほど兄貴のことが好きだったんたろう。
あれだけ律香先輩のことだけを一途に思っていたのに、今の俺は律香先輩に扮した雛森に欲情していた。
本当の彼女じゃないこと、雛森が兄貴に想いを寄せていることも欲情に拍車を掛ける。
今度は俺が雛森を舐める。
「ふあっ」
雛森の首筋に舌を当てると、彼女は鼻から抜けるような吐息を漏らしていた。俺みたいなキモ陰キャに舐められても、嫌がる素振りを見せない雛森は本当に天使さまだ。
雛森と律香先輩は姉妹……律香先輩も雛森と同じような味がするんだろうか?
「しゅ、秀一……さぁぁん……」
彼女の肌理細やかな肌を舐めていると興奮してきて、頬や耳まで味わうように舐めていた。ふるふると震え、声を上げる雛森が見せる仕草にずっと押さえていた欲望が溢れ出してきて、彼女のブラウスのボタンを外していた。
水色のブラがブラウスの間から覗いており、俺は欲望に任せて制服のリボンがついたままの雛森の谷間に顔を埋める。
ああ……。
やっぱり似ている。
雛森から漂う香りは律香先輩とよく似ていた。甘くて安らぐような、ずっと嗅いでいたい香り……。
付き合ってもいない女の子に、こんないやらしいことをしたら頬を強く叩かれただけじゃ済まないどころか、「おまわりさんこいつです」されてしまう。だけど雛森は俺の後頭部に手をやり、受け入れてくれている。
先輩似の雛森の表情が見たくて、顔を上げたらダメだった。
目を閉じて彼女は俺を待っていたのだから……。
眼鏡を外して、唇を重ねていた。雛森を川から助けたときの無私無欲の人工呼吸とは異なる欲望にまみれた口づけだ。
ゆっくりと重なった唇を離すと雛森の瞳はとろんと酔ったような感じだった。
「ひ、雛森……お、お願いがあるんだが……」
「今は律香だよ、秀一さん」
「二人とも姓は同じだろ……そんなことより俺のお願いを聞いてくれないか?」
「うん、言ってみて」
「ぱ、パイズリして欲しい……」
「……」
本当に馬鹿なことを口に出してしまった……。あまりにも雛森が俺に優しかったから。雛森も兄貴と律香先輩がヤっててツラいはずなのに……。
「ごめん、今の忘れて」
俺は口に出した言葉の恥ずかしさから雛森に背を向けてしまっていた。
「初めてだから上手くできるか分からないけど、頑張るね」
「雛森!?」
―――――――――あとがき――――――――――
うおおん……一部のHGは見かけるけど、やっぱりMGはその姿すら拝めないほど希少になってしまったぁぁ……。いつになったら買える日が来るんだろうか? でも正規の値段で買えるまで転売ヤーには屈しないんだからね!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます