1話「カオス」

-魔王side-

今日は東の魔王との代替わりの顔合わせ、のつもりだったのだけど、なんで私は今、人間に襲われているのだろう。



「貴様は魔族か?」


うわぁイケボぉ。


「ここは、通しませぬぞ!マーラ様!今すぐ避難を!」


わあああああ!おじいちゃん言いながら膝めっちゃプルプルだよぉ〜〜〜!

生まれたての子鹿みたいに!生まれたての子鹿みたいにぃぃぃぃ‼︎‼︎


(※マーラは初めて人間にあったことと、年頃の少女であるという事が重なって、情緒が不安定になっております。暖かい目で見守ってください。)


おじいちゃんに戦わせるわけにはいかないし、幸い相手は1人だし、私が出た方がいいよね?


私は最大限の注意を払って、決して邪悪なオーラが出ないように馬車を出た。


しかし、馬車を襲ってきた男の顔はさらに険しくなった。


え?え⁉︎私ちゃんとオーラ隠せてるよね⁉︎

必死におじいちゃんにアイコンタクトを送ると、残念そうに首を振られた。

え⁉︎毎日徹夜で練習してるのにぃぃぃ‼︎


と、とりあえず、追い払おう(?)


「問題ありません。ワタクシの前では、危険も危険ではなくなります。人の子。立ち去りなさい。」


あああああああああああああああああああああ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎この話し方やだああああああああああ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎



「マーラ様っ!いけません‼︎こやつは正気ではございません!こやつの手にあるものが目に入りませぬか!神剣ですぞ!」


おじいちゃんが見かねて助け舟出してくれた!優しいよお!


「貴様…魔王か?」

「っ!口を慎め!無礼者!」


ああ!だめだよ、おじいちゃん!正気じゃない人に怒ったら虐殺されるよ⁉︎

いけ、私の高圧的態度‼︎


「構いません。人の子よ、続けなさい。」

「魔王であるならば頼みがある。対価は俺の魂でどうだ。」


はわわわわわわ⁉︎え、なに対価って!魂って⁉︎よく見ると、この人イケメンだしぃぃぃ⁉︎イケボだしぃぃ⁉︎ほら、私まだ、婚約者とかいないし⁉︎これって、そっちだよね⁉︎そう言う事だよね⁉︎


(※マーラは初めて人間にあったことと、年頃の少女ということが(以下略)


確認のためお爺ちゃんを見ると、気持ち悪そうに首を振られた‼︎


違うの⁉︎


「…貴方は悪魔と契約を結ぶつもりですか?それも、魔王であるワタクシと?」

「ああ、俺の望みはただ一つだ。」


え、なになになに⁉︎やっぱり結婚⁉︎出会い頭に馬車襲ってプロポーズしちゃう感じ⁉︎そりゃあ、私美人だけれども!

魔王だし、お金もお城もあるけれども!

(※マーラは初めて人間にあったこ(以下略)



「……聞きましょう。」

「魔王マーラ。人類滅亡を手伝え。」

「…………………………はぁ?」



は?何言ってんのこいつ?え、は?大丈夫か?やっぱり気⚫︎いの類かこいつ。

ふざけんなぁ!乙女のときめき返せやぁ!人間ゴラァ‼︎


つい怒りに任せて一発かましそうな私をおじいちゃんが慌てて押さえつけた。


「⁉︎」

「マーラ様っ!マーラ様落ち着いて!マーラさm………おいこらマーラァ‼︎‼︎‼︎‼︎いい加減にせんか!この馬鹿者がぁ‼︎‼︎‼︎」

「イタタタタタタタタタタタ!待って!おじいちゃんギブ‼︎私死んじゃう‼︎まだイケメンと結婚してないのにぃぃぃぃぃ‼︎‼︎‼︎」

「うるさいゆうとるんじゃ‼︎大体お前はいつもいつも‼︎‼︎‼︎」

「ええ⁉︎それ今関係なくnいたたたたた‼︎ごめんってば!」


突如本性表したおじいちゃんとめっちゃ引いてる人間。


確かこう言うことなんて言うんだっけ。

ああ、あれだ!


カオs人間と仲良くなりたい魔王、ある日森の中で勇者に「人類滅亡を手伝え。」と言われました。

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