第19話:説教

あのあと一ノ瀬が他のメンバー全員を起こし事情を説明すると心配してくれたあと1時間説教された

神代「なんで俺らに相談しない?」

一ノ瀬「前にも言ったけど自分で抱え込みすぎんなよ!」

赤谷「ちょ…みんなそこらへんで…」

一ノ瀬も言った通り今に始まったことじゃない、一年周期くらいで起こるこの悪夢

彬「どうにもね…」

黒井さんは俺が黒井さんを超えることを望んでいる

そんなの分かってる、分かってるけど…

…うまく言語化できないが俺はあの人を超えちゃいけない気がする

それを黒井さんが望んだとしても

俺は…

俺は…

どうしたらいいんだ…

どうしたらこの靄が晴れるんだ…

どうしたらこの気持ちがきれいさっぱりなくなるんだ…




俺は散歩に出た、メンバーもついていくと言ってくれたが今は一人にしてほしい気分だった


彬「…気持ち悪いな…何も分からないってのは」

悩み事、あの事件以前は全く悩み事なんてなかったしなんなら他人の悩みの種を製造する側だった

嗚呼、俺は上手く言葉を整理できているであろうか

人生に正解はないというが正解はなくても成功はある、成功するための方法というのは人それぞれなためどれがいいというのはないが…


彬「人生の赤本でもあったらな…」

先生「人生の赤本ねぇ…」

彬「いたんすか、先生」

先生「自室の窓からお前が見えたんだ、どうにも困ってそうだったんでな、悩み事か?」

彬「それ以外になにがあるんすか…」

先生「おっと、すまんかった。で?何悩んでんだ?」

彬「…昔、憧れてた先輩がいたんすよ、でもある事件でその先輩は死んじゃって…」

先生「…そりゃ悲しいもんだな…して、それで何を悩んでるんだ?」

彬「何を悩んでるかわかんないことを悩んでるんすよ、今言った事件に関係あるのはわかってるんですが…」

先生「そりゃお前、その悩みってのは後悔しかないだろ」

後悔…?

先生「もし自分が助けられてれば、もしその先輩が事件に巻き込まれなければ、もしその事件がそもそも起こらなければ」

先生「でも分かってんだろ?そんなのただの妄想に過ぎない」

彬「…じゃあどうしろってんですか」

先生「どうしろ?お前も言ってたが人生に正解なんてものはない」

彬「なら…!」

先生「だが自分が思う正解を見つけ出すのはいいんだよ」

彬「…自分が思う正解?」

先生「例えば俺が教師になったのはこの道が俺にとって正解だと思ったからだ、まぁ、大変なこともあったがな」

先生「自分の中の正解ってのは人それぞれだ、お前の中の正解がその先輩を思い続けることだと思うのならそれでいいが、本当にお前はそう思うのか?」

彬「…」

先生「すぐに答えを出す必要はない、だが今のお前はきっとそれを探して彷徨ってると思うぜ」

彬「…」

先生「さてと、俺は自室に帰ってゲームでもするよ、話聞かせてくれてありがとな」

彬「…こちらこそ、あざした…」


自分の中の正解…





黒井「なぁ、ヒイラギ。変な事言っていいか?」

ヒイラギ「なんすか?奢れとか言ったら帰りますよ?」

黒井「そんなんじゃねえよ!はぁ…ヒイラギ」

ヒイラギ「…?」

黒井「お前はお前で最高の仲間に囲まれながら人類史に残るぐらいのことして死ねよ」






…あんときはなんの漫画に感化されたんだと思っていたが…まさかな…

生き方は決めた、俺は…!

なんで臨海学校でこんな覚悟決めなくちゃなんねぇんだと思いながらも決意を胸に一歩歩き始めるのだった





プロローグ、完!

ついに終わりました、っていうか終われせました。さすがに長かったのでね

次からはまた色んな人に会ったり、仲間と色んなことをしたりして学校生活を楽しむ感じにしたいと思います。

長いプロローグでしたが最後まで読んでいただきありがとうございました!

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