第8話:誰と組む?
学校の最寄りの駅で俺は早瀬たちを待っていた。
ん?お前部活見学はって?んなもん早瀬たちと合流して速攻で帰ったよ
それはともかく
あいつらと話したいのはグループ決めの話である。…せっかくのアオハルだ、あいつらと組んで学年1位を取るのも悪くない
そうこう考えていると
一ノ瀬「お、待たせたか?これでも家を飛び出して来たんだがな」
早瀬「ごめんな彬!待たせちゃって!」
一ノ瀬たちが俺の背中を叩きながら話しかけてきた
彬「別にいいよ、それよりグループどうする?」
一ノ瀬「俺はお前についてくよ、おもろそうだし」
早瀬「右に同じく」
彬「ま、そういうと思ってたけどね。他どうすんの?一応なんか隣の席の人が組みたいって言ってたんだけど」
早瀬「うーん、俺らそいつ知らないしなぁ…」
一ノ瀬「だな、彬がどうしてもというのならいいが極力知らない人たちと組むのは避けたいな」
彬「その心は?」
一ノ瀬「毎月出されるグループ課題というやつだが例年ではそのグループの平均をそのグループのスコアにするものもあったり、全員で協力しないと達成できないような課題もあるらしい。ならまったく知らない人たちと組むのではなく知り尽くしているこの3人で組むのが一番合理的だ」
早瀬「まぁ、俺の意見もそんな感じだね。ちなみに、グループは後で抜けたり入ったりできるらしいからその人のことを良く知ってから入れるのも手だと思うよ」
彬「それもそうだな。でもこの3人だけにするのか?さすがに少なすぎると思うけど…」
一ノ瀬「この学校にきた同中なら俺らだけじゃないだろ?」
早瀬「だな、そいつらに声かけてみようぜ!」
彬「あいつらか!すっかり忘れてたけど確かにあいつらなら良さそうだな」
一ノ瀬「じゃあ俺と早瀬で誘ってみるから彬は教室で待っててくれ」
彬「りょ~かい」
彬「宮下さん、昨日の件なんだけど…」
宮下「あ、どうだった?」
彬「まだあんまりお互いのことを知れてないから一回別グループで始めようってことになったんだよね。ごめんね」
宮下「あ、そう…了解!じゃあ入ってもいいときになったら言ってほしいな」
彬「ごめんね!そん時になったら絶対言うから!」
一ノ瀬「おーい彬~?こっちこ~い」
彬「あ、ごめん。もう行くねまた後で!」
宮下「は~い」
宮下「…組んでみたかったなぁ」ボソッ
彬「はいはいお待たせ、んじゃよろしくな、神代蓮人(かみしろれんと)、赤谷健二(あかたにけんじ)」
神代「うい」
赤谷「よろしく!」
神代蓮人、過去に5回ほどeスポーツの大会で優勝している凄腕プレイヤー。色んなプロゲーマーチームから勧誘が来ているらしいが何かに束縛されるのは嫌だからという理由でずっと断り続けている
赤谷健二、スポーツの天才と呼ばれた神童で100m走のタイムは9秒87。中学では野球部に入ってチームを全国まで導いた生きる伝説。ちなみに身長は154cmと少し小さいため野球界では小さな巨人と言われているらしい。
一ノ瀬「これで5人揃ったわけだしグループのBOSSとグループ名を決めよう」
早瀬「BOSSは彬でいいんじゃない?ここにいるみんなを集めたのは彬だし」
神代「彬がBOSSはめっちゃ賛成」
赤谷「僕はそれでいいよ~」
一ノ瀬「反対するやつなんているわけねぇよな?」
彬「えぇ…早瀬。まずBOSSって言い方も気になんだけどBOSSの役割と仕事は?」
早瀬「特になし」
彬「ならやるわ」
一ノ瀬「ハイ決まり~」
神代「ほんでグループ名は?アキラーズにでもする?」
赤谷「グループの順位発表でアキラーズ1位の絵面も見てみたいけどね」
早瀬「それな」
一ノ瀬「グループ名アキラーズ決定マ?」
彬「BOSS権限で却下」
赤谷「じゃあシンギュラリティーは?」
一ノ瀬「その心は?」
赤谷「ほら、僕らって色んな道のめっちゃすごい人たちじゃん?一ノ瀬は全国模試1位の神童で僕とタメ張れるぐらいスポーツもできる、いわば完璧超人。早瀬は剣道で全国1位取ってたし神代だって大会で何回も優勝してる。彬は
だ。僕はまぁ、あれだけど」
早瀬「いいね、シンギュラリティー!」
神代「面と向かって褒められるとなんかむず痒いな」
一ノ瀬「それな」
彬「…」
赤谷「どう?彬」
彬「…シンギュラリティー発足記念の飯屋どこにする?いっそカラオケ行くか」
一ノ瀬「速いなおい、まぁ彬らしいけどな」
神代「だな」
キーンコーンカーンコーン
早瀬「お、授業開始のチャイムだ」
赤谷「じゃ、グループの発表頼みますよ。BOSS」
彬「めんどいけど任せた!」
すこし笑みを浮かべた彬は自分の席へと帰っていくのだった
長くなっちゃった。5人分の会話書くとどうしてもあれだね。ちなみに今回登場した神代、赤谷はそれぞれ実在する僕の友達を上方修正した人です。多分口調とかまんま
一応許可はとりました。名前も考えてくれてありがとうございます。
シンギュラリティーはこれ以降SGと略すことが多くなりそう。
みなさん知っての通り、シンギュラリティーの意味は特異点です。
赤谷はグループの全員がいろんな分野の特異点であることを示した名前にしたかったんでしょうね
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