第5話:バレた鬼たち

彬「どうするよ兄弟」

一ノ瀬「…口止めか記憶処理か」

彬「記憶処理は最終手段だ、とすると口止めだよな、一回交渉するかぁ…」

はぁ…めんどくせぇ、とため息をついてから俺はその子に近寄った

彬「君って確かあの不良にビンタした子だよね?」

女子生徒「は、はい」

彬「お礼はいらないって言ったのにあれなんだけどさ、ちょっと一つお願い事聞いてもらっていい?」

女子生徒「え、あ、えっと…ちなみにどんな…?」

彬「この一件をすべて忘れてほしいんだよね」

女子生徒「忘れる…わ、かりました…」

彬「…」

これは納得してないな、こりゃしゃあねぇな

彬「…君の家はここ?」

女子生徒「は、はい。ここのイタリアン料理店の娘です」

彬「ごめんね、ちょっと痛いかもしんないけど我慢してね」

女子生徒「え?」

トンッ…トサ…

一ノ瀬「これでいいんだろ?」

気絶して倒れかけた女子生徒をキャッチした一ノ瀬がそう聞いてきた

彬「いいんじゃない?じゃあその子は店前のベンチに寝かせておこう」

一ノ瀬「うい」

彬「あ~疲れた~帰りますか!」

一ノ瀬「だな、あ、母さんから買い物してこいって言われたから俺スーパー寄るわ」

彬「じゃあ俺もお菓子とかアイスとか買うために一緒に行くわ。ちょうど在庫切らしてたんだよね」

一ノ瀬「お、いいね。ほんじゃ行きますか」



一ノ瀬「おーい、彬ー、欲しいもん買えたか?」

彬「おう!MOW(モゼロウ)のバニラアイス大量ゲットだぜ!」

一ノ瀬「ほんとお前それ好きだよな。そういえば明日は部活決めと委員会決めだったよな?お前何にすんの?」

彬「そうなの?初めて聞いたなぁ…うーん、委員会はなんか余ったやつやろうかなとは思ってるけど、部活ねぇ…」

一ノ瀬「お前の身体能力ならどこの運動部入ったってどうせスタメンだろ?」

彬「そんなことないよ、ただ人一倍本番に強いだけさ」

一ノ瀬「中学1年の時は野球部期待のエースだったくせに」

彬「そんな時期もあったな」

あんときは一番になるのが大好きだったっけ

駅の改札を通り、3番ホームに着く電車を待つ

一ノ瀬「俺は決めた、このアオハル3年間はお前に託すよ、きっと早瀬も同じことを言うさ」

彬「…なんか縛ってるみたいで申し訳ないな」

一ノ瀬「罪悪感感じんなよ?俺らが勝手に付いてきてるだけなんだから」

彬「…ありがとな」

一ノ瀬「まぁ、とりあえず明日答えを聞かせてくれよ」

彬「あいよ、ほら電車きたぞ」

一ノ瀬「うっし、じゃあお先」

彬「またなぁ~」

…勝手に付いてきてるだけ、か…

もういい加減あいつらに心配されないようにしないとな




次回からは学校でのお話です。新しい登場人物の出し方ムズイ…

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