第1話:入学式
満員電車の中30分ほど揺られ、学校の最寄りに着いた。
駅を出れば周辺には同じ制服を着た高校生があちらこちらにいた。
…緊張すんなぁ…大丈夫かな、友達出来るかな…
そんな心配をしていると背中に激痛が走った
彬「痛てぇ!」
早瀬「おはよう!彬!」
背中をさすっていると早瀬が後ろから現れた。おそらくこの激痛の犯人はこいつだろう
彬「痛てぇな…叩かなくてもいいだろ?」
早瀬「だってお前なんかいつもの陰の空気まとってたし」
彬「マ?」
早瀬「マ」
マジか…やっぱ俺が友達を作るのは不可能なのかな…
早瀬「そうそれ!それがダメだって言ってんじゃん!お前高校デビューすんじゃねえのかよ!」
彬「早瀬…!お前!」
早瀬「お前ならできるって!俺らと話すときは普通じゃん!その調子で頑張れよ!」
一ノ瀬「そうだぞ彬。お前ならできる」
早瀬「うんうんってお前いつからいた?」
一ノ瀬「お前が彬のことぶっ叩いた時から」
彬「そんな前から…?」
早瀬「言うてそんな前か?」
一ノ瀬「俺はその間話しかけるタイミングを見失って獄門協に閉じ込められるくらいの脳内時間を過ごしたぞ」
彬「それはすまんて」
早瀬「そうだぞ!彬!一ノ瀬を除け者になんてすんなよ!」
一ノ瀬「ああ!?そうだよなァ!?もっと言ってやれ!」
くっそ早瀬の野郎裏切りやがって…
そんな感じのいつもの会話をしつつ学校についた
体育館で入学式をやるらしく受付で入学特典(?)のノート3冊と座席表を受け取り席に着いた。できるならあいつらと隣の席がよかったがそうもいかないらしい。出席番号順でもなさそうだが…いったいどういう並び順だ?そんなことを考えていると右隣の席に女子生徒が座った。…これ、話しかけた方がよいのだろうか?
いやでも女子だし、キモがられたら傷心して学校これなくなっちゃうし…
「あ、あの…」
彬「は、はい!どうされましたか?」
やっべ緊張しすぎて呂律回んねぇ
「あの、私安藤雪といいます。同じクラスになるかはわかりませんがこれからよろしくお願いします」
彬「あ、こちらこそ…よろしくお願いします…えーっと、俺は柊彬って言います。えーっとなるべく彬って呼んで欲しいです。すいませんちょっと自分陰キャだったもんであんま人との対話に慣れてなくて…」
安藤雪「私もですよ~最近中々人と会話してなかったもんですから…」
彬「ですよね~そういえばこの入学式の後って何がありましたっけ?」
安藤「確かクラス開きだったはずですよ」
彬「ありがとうございます!」
安藤雪「いえいえ、とんでもない。あ、入学式が始まりますよ」
開会の合図の鐘がなる。嗚呼、これから一生に一度しかない高校生時代が始まるんだな、どんな青春が待っているんだろうと胸を躍らせる彬であった
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