クガタリウヌスウ

エリー.ファー

クガタリウヌスウ

 みすぼらしいほどの時間が、今の僕を作ったとしても、自分を失わずにいたいと思うよ。何もかもを考えて生きるほど、簡単ではないけれど、自分のことを数えて思いを連ねる毎日はこりごりなんだと強く言うために、朝日を待ち望む男と一緒に釣りをしにいったんだけれど、気が付いたら涙の中に自分の体を沈めて冷蔵庫の真似事をしているうちに夜になってしまったと母親に報告すいる夢を見たんと思っていたのが数か月前のことだから、今はもう僕と僕の間に太陽を仕入れておく必要はなくなってしまい、犬と猫の形をした光が僕に近づいてくる呪いを避けるのに頭を悩ませていると口から唾を吐き出しながら報告しているのだと、君に伝えるために、僕は僕ではない誰かを見失おうと必死になって眼球を取り出してみたところ、その裏に、僕以外の誰かの意思を感じざるをえないんだと君に伝えに来たのだと報告をする必要があると思い立って、自分の中にあるカルマの清算を始めることにしたんだけれど、もう一度、自分という人間の魂の色を確認する必要がでてきてしまって困惑するのは、今の僕から遠い所に見える鯨とキスをするようなものだと勘づいているので、今から、僕と、僕の中にある魂と、僕の中にあるグラスと、僕の魂に映った風と、僕だけのために命を燃やす薬剤師に、挨拶をしに行くつもりなんだと、分かってもらいたくて、今日を燃やし尽くす算段をたてたんだと勘違いを繰り返して、今という落とし物を過去の中に生み出して扉の向こう側で眠る人々に見せつけるための虹色の光を社会から連れ出すために女と子どもの犠牲にしたことを、それはそれは後悔しているのだと言葉にして伝えたいけれど、そうやって自分の逃げ道を作り出すことが、今の僕をどれだけ、素晴らしいものにしていくか分からないから、今は、避けておこうと自分の中にルールを作って、できる限り、鶏と自分との違いを明確にしようとしているのだと、今は亡き、父親に向かって伝えようと何もかもを犠牲にして、今の僕が出来上がったということなんだと、君は気付いているはずなのに、そうやって、僕のことを見つめて困らせようとしてくるなんて、随分と失礼じゃないか、と口に出そうと思った時には、人類と僕との間には、何者でもない楓と雪ダルマが生まれて、僕の結婚を祝福してくれるだろうという、楽観的で下品な思考が生まれ落ちてしまっていたことに深く後悔をしながら、それでも感謝をしてしまう僕の中にある情けない思いを言葉にするための技術を、もう、見失わないようにするために努力と後悔と、才能と実力を重ね合わせたキーボード音を響かせながら、女性になりたいと強く願って、今現在、という言葉に囚われて死を待つだけの茨道の殺し屋としての人生を数字の上で築き上げることにしたんだと数年前に話したことは、君だって理解しているはずなのだと、君は、君の姉から教えてもらったはずなのだと、僕は最初から分かっていて、そのための布石を少し前から準備していたことに君は勘付いていたのではないかと、僕は思いながらも考えて、感じることが大事なのだと、世界中の人に伝えたいんだ。

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