10年ぶりに会う幼馴染み えっ!面影はあるけど
天風 繋
第1話
どうも、はじめましての初めまして。
別作品からの人はいつもありがとうございます。
今回で、幼馴染み物は3つ目になります。
今までは、幼馴染みが傍にいるパターンでしたが、今回は数年ぶりに会うと言うお話。
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幼稚園時代。
仲の良かった友達がいた。
泣き虫だった僕をいつも守ってくれたアキくん。
そんなアキくんは、幼稚園の卒園と共に県外へと引っ越していった。
アキくんの乗る車を追いかけて、転んで膝を擦り剝いた。
あの時の怪我の後は今でも両の膝小僧にある。
そんな僕も今年、高校に入学をする。
自宅から近い私立高校である。
櫻坂高等学校。
それが、この春僕が通う高校である。
入学式の前日。
僕は、自室のベッドで惰眠を貪っていた。
小さなチャイムの音がして目を覚ました。
普段だったら、聞き逃しそうなのに珍しく起きれた。
僕は、のそのそとベッドから這い出るとパジャマ姿のまま1階にある玄関へと向かう。
普段、あまりインターホンに出たことがないからモニター確認などせずに僕はドアを開けた。
玄関先には、あどけなさが残る少女が立っていた。
長い黒髪が春風に靡いている。
すらりと白い足が、ピンクのミニスカートから伸びている。
真っ白なシャツは、細いタイで結ばれていた。
「えっと、マコちゃんのお兄さん?ですか」
マコちゃん?マコ…ああ、随分と懐かしい呼び方だな。
幼稚園の頃、マコって呼ばれていたっけ。
でも、僕に女の子の友達なんていない。
「マコ…は、たぶん僕の事だけど…」
「え?」
少女は、驚愕の声を上げる。
「マコトちゃんのことですよ?」
「うん、
なんだろう。
とっても話が嚙み合わない。
「えっと…君は?」
「私は、
「アキ?アキ?ん?アキくん?」
アキと聞いて僕の中ですぐに出てきたのは幼稚園の頃に分かれた幼馴染みの男の子。
でも、目の前にいるのは女の子。
僕の中のアキくんは、いつも半ズボンで髪は短くて、いっつも顔に絆創膏をつけてるような男の子だった。
「アキ…くん?」
僕らは、頭の中がこんがらがっていた。
2人して、玄関先で首を傾げているのだから傍から見たらおかしな光景だろう。
『もしかして、「アキくんって女の子だったの?」「マコちゃんって男の子だったの?」』
僕たちのセリフが見事にユニゾンした。
同性の幼馴染みだと思っていたのに、まさか異性だったとは思いもしなかった。
10年ぶりに会う幼馴染み えっ!面影はあるけど 天風 繋 @amkze
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