第34話 魔女の実験体
「
まるで呪文のような声が、森の中に響く。すると、木の芽が大地から現れ、急速に成長し、木の魔物が姿を現した。人間の形を模しているようだが、どこか不気味で妙な感じがする。
「わたしでも見たことのない魔物です!何があるかわかりませんので、気をつけてください!」
ルーネが警告するが、その瞬間、「ウウロ」という声と共に、木の根が伸びてきてルーネの口を塞いだ。
「むむうっむむむむむつっ……!」
ルーネは木の根で口を塞がれているにもかかわらず、何かを必死に伝えようとしている。彼女の目がこちらに強く訴えかけてくる。
「さて、お前は俺を楽しませてくれるか?」
俺は、目の前にそびえる化け物に向かい、挑発するように言い放った。
「
木の化け物が笑っているように聞こえる。俺の言葉が通じたのか、あるいはただ俺を小物として見ているのか?
「おいおい、なめんなよっ!!」
俺はルーネを捕らえていた太い幹にスティックの一撃を加えると、それは一瞬にして崩れ去った。
「
だが、木の根は再びルーネを捕らえようと伸びてくる。しかし、ルーネの顔が赤い。どうやら先程の「お姫様抱っこ」が原因らしい。
ごめん。
「大丈夫ですから、は、なして……」
ルーネは強制的に俺から離れると、剣を構え、俺の背後に立った。
「
その声と共に、竜の形をした木の八つの首が俺たちに襲いかかってきた。だが、俺は冷静にそれを回避することができた。
「鑑定者」
ーーーー
【
レベル???
-unknown-
-unknown-
-unknown-
-unknown-
-unknown-
ーーーー
くそ、ステータスがほとんど不明だ。だが、一つだけ確かなことがある。俺の攻撃が効いている。先程の一撃で、木の魔物は防御できなかった。つまり、これは有効な攻撃だ。
「さて、どっちが強者か、化け物にわからせてやらないとな。身体強化!!」
俺はスティックを強く握りしめ、力を全身に巡らせた。
前に突進し、次々に木の竜を倒していく。背後ではルーネが的確に援護してくれる。木の竜が迫ってくるが、俺の攻撃で次々と崩れていく。そして、ついに本体に近づいた。
俺はスティックを大きく振り上げ、すべての力を込めて振り下ろした。
「俺が強者だ!わかったか?」
木の化け物が最後の抵抗として声を発した。
「
何を言ったのかはわからないが、俺の一撃がその声をかき消した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます