第2話 友情の駆け引き

昼休みが終わり、詩廼と巴は教室に戻る途中、将棋部の部室に寄った。部室には数人の友達が集まり、将棋を指している。詩廼はちょっとした期待感を抱きながら、巴に話しかけた。


詩廼 「巴、真面目将棋やる?」


巴 「もちろん!でも、百花はどうなの?最近、本気でやってるの?」


詩廼は少し顔をしかめた。将棋の腕前は友達の中でも高い方だが、最近は本気を出す気になれなかった。


詩廼 「うーん、めんどくさいなあ。別にプロを目指すわけじゃないし。」


巴は詩廼の肩を叩き、優しい目で見つめた。


巴 「でも、詩廼ならもっと強くなれると思うよ。練習しないともったいないよ!」


詩廼は微笑みながらも、心の中では迷っていた。巴は強い友達であり、いつも自分を励ましてくれる存在だった。


詩廼 「それでも、放課後は遊びたいし…」


巴 「でも、遊びながら将棋も楽しめるよ!一緒にやって、どんどん強くなろうよ!」


そんな言葉に詩廼は少し心が動いた。確かに、将棋を通じて巴と遊ぶ時間が好きだった。放課後の時間、ふたりでやる将棋は特別なものだ。


詩廼 「じゃあ、今日はちょっとだけ頑張ってみようかな。」


巴は嬉しそうに笑った。


詩廼 「よし!それじゃあ、勝負だ!」


部室でふたりは将棋盤を広げ、真剣に対局を始めた。駒を動かすたびに、緊張感と楽しさが交錯する。詩廼は巴と戦いながら、自分の成長を感じることができた。


詩廼 「うわ、巴、強いなぁ。全然勝てない。」


巴 「でも詩廼もすごくいい手を考えてるよ!もっと続けていけば、きっと勝てるよ!」


放課後の時間は、友達との交流を深めながら、詩廼にとって貴重な成長の場になっていった。


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