将棋と恋
紙の妖精さん
第1話 エピローグエピソード(回想、将棋の午後)
昼休み、歌川詩廼(うたかわしの)は友達の円巴(まどかともえ)と一緒に校庭のベンチに座っていた。二人の間には将棋盤が広げられ、駒が交互に動かされていく。
詩廼 「最近どう?将棋、うまくなった?」
巴 「そうでもないかな。やる気なくなってきたけど、少しは強くなってるかも。」
詩廼 「のんびりだね。プロ目指すんでしょ?」
巴 「目指さないよ。」
詩廼 「なんで?」
巴 「めんどくさいから。」
詩廼は笑いながら、巴の返事に頷いた。将棋を始めたころは、プロになる夢を語っていた巴だったが、最近はそんな話を聞かなくなった。
詩廼 「まあ、楽しむのが一番だよね。」
その言葉に巴も頷き、次の一手を考える。詩廼は自分の駒を動かしながら、友達との会話が心を軽くしてくれることを感じていた。
巴 「ねえ、次の大会には出るの?」
詩廼 「出ないかな。練習するのも面倒だし。でも、また将棋部の仲間と集まったら、遊び感覚でやりたいな。」
巴は笑顔で頷いた。彼女たちにとって将棋は、ただのゲーム以上のものであり、友情を育む大切な時間だった。
詩廼 「それに、将棋を通じて考える力も少しはついてる気がするし。」
巴 「確かに。勝ち負けにこだわらないのも将棋だよね。」
二人は、穏やかな午後の光の中で、将棋を楽しみながら、友情の温かさを感じていた。将棋の駒を動かすたびに、彼女たちの心も少しずつ近づいていくのだった。
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