第8話:まだボーイフレンド。
その夜は当然なにもなかった訳で好人はジョリーが誘惑してこないかわずかに
期待したが・・・なにもなく静かに朝を迎えた。
好人のほうから迫っていってもたぶんダメって言われてただろう。
エッチはなかったけど、それでも朝はちゃんとハグしてくれた。
ジョリーの柔らかな体に温もりにいい匂い・・・それだけで好人は癒された。
で軽い朝食を食べて、ふたりは、またなかなか来ないバスに乗ってジョリーが
通う学校「メフィストフェレス学園」へ・・・。
学校の最寄りの停留所から歩いて五分で学校に到着した。
メフィストフェレス学園は洋館の立派な宮殿って感じの学校だった。
ジョリーの連れられて教室に入ると、いきなり好人はいきなり注目の的になった。
顔色のいいのから悪いのまでさまざまな連中の目がこっちを見ていた。
そんなに人から、注目を浴びることもない好人はジョリーの後ろに隠れた。
教室にはすでに生徒がたくさん来ていた。
好人以外はみんな悪魔なんだろうけど、しかも普通では考えられないような、
異様な姿形の悪魔たちもいた。
ジョリーが普通の女に見えた。
激やせしてるやつとか、色がおかしいやつとか、やたら背の高いやつとか
でぶっちょいやつとか、多種多様・・・まあ個性的な悪魔ばかりだった。
中には朝から、教室の隅でセックスやってるカップルもいた。
「ジョリー・・・あそこで腰動かしてる女がいるけど・・・」
「教室であんなことやっていいの?」
「やっていいってことはないと思うけど、男の上の乗ってるのはサキュパス
だから・・・やりたくなったらどこででもやるんだよ」
「サキュパスって?」
「サキュパスは悪魔なんだけど、もともと霊体だからね、体を持たない悪魔だから
死体に憑依しているんだよ」
「魔的な方法でセックス用の肉体を構築しているんだ・・・」
「え〜死体に取り憑いてるのか・・・」
「私もサキュパスももとはアダムの妻だったリリスの血筋だからね、出処は同じ
悪魔なんだよ」
「まさか、ジョリーも死体に憑依してるわけじゃないよな?」
「違うよ・・・悪魔って言っても、いろんな種族がいるんだよ」
「死体とエッチしてると思ったら、勃つものも勃たなくなるな」
ジョリーが普通の悪魔でよかったと胸をなでおろす好人だった。
ここではジョリーの言うことを信じるしかなかった。
好人とジョリーを見つけた彼女のダチがさっそく、ふたりに食い付いてきた。
「ジョリー・・・昨日バス停でおまえが連れてたその人間どこで拾ってきたんだよ」
「うるせえ、ドルガイル」
ジョリーにドルガイルと呼ばれたやつは、昨日、うるさいバイクで通り過ぎてった
いった悪魔だった。
男の悪魔はだいたい、ほぼ裸に近くて腰に布切れを巻いてるだけだった。
「その人間いいな・・・もう食ったのか?ジョリー・・・」
「人間食ったら寿命が延びるって聞いてるぜ・・・ガセかもしれないけど」
「おまえ、最近色艶いいんじゃないか?」
「食ってねえよ・・・学校から帰ったらこの人は人間界に帰るの」
「そのうち食べちゃうけどね・・・」
そういうと10人くらいの女の悪魔が興味を持ったのかジョリーの彼氏?
人間の男なんていいな〜」
女どもが集まってきた。
アヌスラットって呼ばれた悪魔が言った。
「うそ〜人間なんて珍しいね」
「私たちの彼氏になんか人間は普通ならないだろ?」
「まだ彼氏じゃないよ・・・エッチしてないからまだボーイフレンド」
人間食べたい〜うらやましい〜って、エキストラの女悪魔たちが声をそろえて
言った。
つづく。
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