第ニ章 第2話 久しぶり
結局、昨日は諦めてすぐに寝てしまった。深く考えても、どうせ分かんないし。
明日はみこに会えるんだから。
〜〜〜
「明美! おはよ、元気してた?」
「うん、みここそ、元気だった?」
「あはは! 心配要らないよ☆」
「さすがでございます」
こんな会話は久しぶりだ。何だか少し懐かしい気がする。
「そうだ明美、テストって再試あるのかな? ありませんように……」
「残念、あります」
「え、いつ?」
「明日の放課後」
「オタワ(地名)w」
そうだった。みこはテストを受けていないんだ。大変だな……。
そうこう言ってる内に学校へ着いた。最近人気者のみこは、沢山の人に挨拶をされる。
もちろん、私はスタスタと自分の席に歩いて行く。まだ図書室で借りた本が読み終わっていないのだ。
みこは最近社交的で明るい。前よりも全然明るくなった。なんか私が取り残された感あるけど、みこが良いなら良い。
***
皆さん初めまして!大空美琴こと、みこです!
最近、明美が負のオーラを出している気がする。気のせいかな?
私は宮内君(宮内の野郎)のせいで精神が不安定になり、少し休んだ。そうしたら、テスト全部休んじゃったのだ!
それなりに危機は感じてる。先生にも言われちゃった……。
でも大丈夫!私には強力な味方、明美がいるんだから。今日の放課後も明美に勉強を教えてもらえる。ありがたい限りだ。
***
放課後、図書室に来てみこに勉強を教える準備をしていた。やっぱり、本の匂いは落ち着く。
「だからさ、よりを戻そうよ。て、照れ隠しだったんだって」
「だからって、言って良いことと悪いことがあるでしょう!? さようなら。もう私に関わらないで」
宮内君と……みこの声?先日の件だろうか。なんか責任感じるんだよな。
「ごめんごめん、遅くなっちゃった」
みこが図書室に入ってきた。何も知らないフリをすることにした。
「全然大丈夫だよ。始めよっか」
「よろしくお願いします」
〜〜〜
みこは休み中にも勉強をしていたようで、飲み込みが早かった。
「あ、もう6時だ。帰ろ?」
「うん」
もうすっかり暗くなった夜道を2人で歩いて行く。みこは何か話があるようだった。
「ね、明美。今日宮内君に話し掛けられたんだ。それでさ、『前の発言は照れ隠し』だって。」
「そうなの?」
「うん。でね、『よりを戻そう』って言ってきてさ……。私、どうしたらいいのかわからない。明美は、明美だったら、こんなとき、どうするの?」
私は―――……。私だったら、どうするだろうか。
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