第二章 第三話 親友の決意
「私だったら―――…。私だったら、1回、信じてみるかな」
本当だ。宮内君はそんな人ではないはずだ。きっと。
そうじゃなきゃ、みこは付き合わない。みこは、そういう所はちゃんとしてる。反省しているのは本当だろう。
「でも、またあんな事があったらと思うと怖くて……。本当に悲しかったし、辛かった。けど、どうしても宮内君の事を心から嫌いになんてなれなかった。もう、どうしていいのかわかんない」
みこの、こんなに悩んでいる姿は初めて見た。
「でも、最終的に決めるのはみこなんだよ。もう少しゆっくり考えてもいいんじゃない?家とかでじっくり考てみて」
「……うん。そうする」
私は、みこが決めた事を応援する。
だって、親友だから。
***
明美に相談してから家に帰ると、母がハンバーグを作って待っていてくれた。
最近はそれだけで嬉しくなるくらい、心が脆い。自分でも心配だ。
いつかポロッと壊れてしまいそうで、怖い。
そのくらい、宮内君の事が好きだった。大好きだった。
「ねぇ、どうしたらいいの?」
私は小さい時から一緒にいる人形『りりちゃん』に話しかけた。
気付いたらそのまま寝落ちしてしまっていた。
〜〜〜
「そんな事、私に聞かないでよ」
夢の中で、りりちゃんが私と話していた。
「美琴ちゃんは、ずっと宮内君が好きだったんでしょ? もう、何悩んでるの。信じてみなさいよ。1回だけでも。」
「……でも、もしまたあんな事があったらって思うと怖くて」
「私はずーっとあなたを見てきたから分かる。今、復縁しなければ一生後悔する。ほら、ね」
〜〜〜
「……あ!」
そこで目が覚めた。りりちゃんは、そのまんま。もう喋ってない。
「何だったんだろ、本当に。でも、ありがと。りりちゃんのおかげでやっと決心が着いたよ」
その時、私には少しだけりりちゃんが微笑んだ様に見えた。
〜〜〜
朝が来た。
今日こそは宮内君とちゃんと話すんだ。
「おはよう、みこ」
さっそく明美が挨拶をしてくれた。
「おはよ、明美。ね、今日は宮内君と仲直りしようと思ってるの」
「おぉ、みこ、ナイスファイト! 頑張ってね」
「ありがとう。あ、来た」
心臓がドキドキする。緊張してきた。
「みこ、いってらっしゃい」
「うん、いってきます!」
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