第二章

第二章 第一話 告られた!?

 俺はなんて答えれば良いのか、『はい』なのか、『いいえ』なのか。分からない。どうしていいのか分からない。

「えっと……。健太君?わ、私は君の、優しいところが好きです……!」

……迷ったあげく、俺は答えを出した。

 ええい!もうOKしてしまえ、男らしく。

「はい」

***

 「…って感じで付き合うことにしたんだ」

「へぇ~、よかったたですね。ところで先輩、テストどうでした?」

 うっ、聞かれてしまった…。正直に答えよう。でも、もっと根掘りはぼり告白について聞いてくると思っていた。

「それがさ、なんとか平均点いけるかいけないかの狭間なんだよ。せっかく教えてもらったのに……ごめんね」

「いえいえ! 大丈夫ですよ、これから伸ばしていきましょうね! 」

 何でこんなに優しいのだろうか。こっちまで笑顔にしてくれる。こんな女性がもっとたくさんいたら男は幸せだろう。しかし、こんなに天使みたいな人はそうそういない。この人と過ごす時間を大切にしないと。

 見川さんと付き合う事になったからには、桜田さんと会う頻度を減らさなければならないかもしれない。

 そう思うと寂しい。…何を考えているんだ、俺は。俺には彼女がいるだろうが!

***

 先輩が付き合うと知って、びっくりしていない訳がなかった。でもまあ、先輩モテるし、当たり前ちゃ当たり前だ。

 でも、ショックかな。

 先輩に彼女が出来たなら、私はもう関わらないほうが良いと思う。だって…。

『ピロン♪』

あ、みこからだ。

『こんばんは明美!テスト中全部休んだから心配かけたかな?ごめんね。宮内君とはきっぱり別れることにしたんだ。私は新しい恋を探しに行くよw☆明日から学校行くから、朝明美んち行っていい?』

わあ!みこ良かったぁ。

『こんばんは!良かったよ〜、明日の件、了解です☆』

「ふふふ♪明日楽しみだな〜♪ふんふんふ〜ん♪」

 「お姉ちゃん、何してんの?」

「わ! は、隼斗はやと!? いたなら言ってよ、びっくりした!」

隼斗は私の弟だ。今は小学校4年生。

「だってぇ、面白かったんだもん! いきなり『ふふふ♪』とか言いだ」

「ストップ。もうやめて、恥ずかしいから!」

「はいはーい」

 隼斗は可愛い弟だが、隙があるとすぐからかってくる。

 あぁ、今日こそはからかわれないと思ってたのにー!

 でも良いや。明日はみこに会えるから。

〜〜〜

 その日の夜、私は大好きな本を読もうと、ページをめくった。

 ―――その時、本が光り出した。

「……え、また?」

 意味がわからない。本当にわからない。何で、また?今までは全然平気だったのに。

「あれ? もう終わった? 」

前回とは違い、ほんの数十秒間で光は収まった。何だったのだろうか。女性も出てこない。不思議でしかない。




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