第一章 第四話 鉢合わせ

 三木健太はあの日からずっとの事を考えていた。

[名前、何だろう?]

健太は、1年生ということしか知らない。情報が少な過ぎた。

***

 「はぁぁぁぁ。」

「どうしたの?みこ。元気ないじゃない。」

みこがこんな顔をするのは滅多にない。心配になる。失恋でもしたのだろうか。

「それがね、明美ぃ、次郎先輩が別れようって言ったの。」

なるほど、失恋か。みこは可愛いので、モテる。彼氏がいた事にも納得だ。

「えー、別れたの!?」

別れたのか、気になる。

「いや、ちょっと待ってって言ってる…。」

みこらしい。でも…。

「みこ、早く別れてみこをもっと大切にしてくれる人探したら?」

「うー。そうしようかな!ありがと!明美!」

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