第7話 狭間

翌日、時佳は学校へ向かう道すがら、頭に浮かんだとりとめない考えを反芻する。


成長することと老化することが同じ意味なのか?そして自分がどちらの感覚を抱えているのか?

もやもやした気持ちが消えない。

成長っていうのは、体も心も大きくなること、老化は衰えていく感じ、11歳なのに、成長したのに老化もしてるって思うのは、変。

なんでそんなこと考えちゃうんだろう?

髪の毛だって痛む、抜けることもある。

成長しても同時に老化して私たちの細胞も、新陳代謝で生まれ変わってるから、老化してるっていう感覚が実際としてあまりないのかもしれない。

成長と老化は同時に進行して、成長を感じながらも成長していく体の先には、死があるって考えると、不思議。

なんで死があるのかは全然わからない…成長していくのに、その先に死が待ってるなんて、どういうことなんだろう?

自然の法則みたいなもの?もし永遠に生き続けられる方法があったとしたら、それは辛いのかな?

ずっと生きていることが、果たして幸せなのかって考えると、ちょっと怖い気もする。

友達や家族がどんどん亡くなっていく中で、自分だけが残っているって、すごく孤独なことだと思う。

時が経つにつれて、周りの人がいなくなるのは辛い。

時間が経つにつれて、自分の大切な人たちがいなくなっていくこと。

それが永遠の命を持つことの影の部分かもしれない。

成長は楽しいけれど、死という現実が待ち受けているという事実を受け入れなければならない。

なんで美しいままずっと生きられないの?美しさを保って生き続けることはできないの?ずっと綺麗なままでいたい。

老化は避けられないけど、それによって何かを得ることもあるのかな?


そこまで考えると学校が見えた。

時佳はひとつため息をついて学校の門をくぐるのだった。






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