第4話 秘密の解放

プールから帰る道すがら、時佳は心の中に抱えた特別な出来事を思い返していた。夕方の静かなプールでの大胆な行動は、彼女にとってただの冒険ではなく、心の解放を感じさせる貴重な体験だった。しかし、その一方で、学校の他の友達にそのことを話すのは少し恥ずかしい。


「ねえ、今日のこと、ちょっと内緒にしておいてくれる?」と、時佳は里菜に言った。彼女の心には複雑な感情が渦巻いている。里菜は少し驚いた様子で、「え、なんで?別にいいじゃん、そういう解放されたい気持ちがあっても」と言った。


時佳は考える。里菜が言う通り、特別な瞬間だったし、誰もいないプールでの出来事を素直に話すことができたら、もっとすっきりするのかもしれない。しかし、やっぱり恥ずかしい気持ちも強く、秘密にしておきたいと思った。


「うん、でもなんか、微妙だから…」と、時佳かは恥ずかしそうに言う。里菜は優しく微笑み、「わかったよ、内緒にしとくね。でも、今度また一緒に行こうよ、もっと自由に泳ごう!」と返した。


その言葉に、時佳は少し安心した。自分の気持ちを理解してくれる友達がいることが、心の支えになった。今日の出来事は内緒にするけれど、これからも里菜と一緒に水の中で遊ぶことができるという期待感が、彼女の心を軽くしてくれる。


帰り道、時佳は少し振り返りながら、夕暮れの空を見上げる。今日の特別な体験は、彼女の心の中で温かい形をして記憶されるのだった。


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