プールの少女

第3話 解放の水面

日が沈みかけ、夕方の柔らかな光がプールに差し込む。時佳は、水の中で遊びながら、ふと心の奥に秘めた願望を思い出す。誰もいないプールで、思い切り自由に泳ぎたいという気持ちだ。水着を脱いで、ただ自分の肌で水を感じたいと思うことがあるが、その願望はなかなか実現できない。

「プールが空いてるの、いいなあ」と、里菜が言う。周囲を見渡し、他に人がいないのを確認する。時佳は少しドキドキしながら、「本当に誰もいないなら、生まれたままの姿で泳いでみたいな」と心の中で思う。

ふとした瞬間、時佳は大胆な決断をする。誰も見ていないこの静かなプールで、自分の願望を叶えてみるチャンスかもしれないと考えたのだ。だけど、実際に行動に移すことは簡単ではない。彼女の心には不安と緊張が広がる。

「でも、これができたら、すごく解放される気がする」と彼女は心の中で繰り返す。里菜に話しかけると、里菜は「やってみれば？私も見てるから」と優しく背中を押してくれる。

少し勇気を出して、するりと水着を脱ぐと時佳は水中に潜る。水の中で、彼女は一瞬自由な感覚を味わい、心が解放されていくのを感じる。周囲の静けさが、まるで自分だけの特別な空間を作り出している。

最後に、深呼吸をしてゆっくり浮かび上がり、無邪気に笑う。水の感触が心地よく、まるで水と一体になったかのような気持ちだ。誰もいないプールで、自分の思うままに泳ぎ、楽しむ時間はまさに特別な体験だった。

「今の気持ち、忘れたくないな」と、時佳は思う。この瞬間が、彼女の心の中に新たな自由の扉を開いたような気がする。水に対する愛情が一層深まり、彼女は今後もこの特別な場所で心の解放を求めていくことを決意する。

その夜、ときかは夢の中でも水に包まれ、解放された心の感覚を味わっている。彼女の願望は、心の中で大切に育てられていくのだった。