俺が分裂(物理)する話。
みんQ
俺超分裂
「……は?」
「……えええ?!」
朝起きたら、俺が二人になっていた。
「イヤイヤイヤ……! どどどどういうことだよ」
「そそそそんなの、おおおれ、イヤおま、お前、消え、消えろよ」
「消えろとか、ンなひでえ事いうなよ。仮にも俺なのに」
「ああああああイヤごめ、ごめん。混乱してりゅっ、してた」
「ああああああわかる、わかるよウン」
キョドり癖のある俺は、2人になったらキョドパワーも二倍になった。
「んんんんで、どうするよ、一階で母ちゃんが飯作ってくれてんのに」
なんだか少し落ち着いたらしい。俺は俺に、ほんのり余裕のある口調でたずねる。それを見て、俺もやっぱり落ち着く。
「仕方ねえだろ、よくわかんないんだ。こういう、わかんない事は何でも親に相談だろ。進路相談とおんなじようなもんだろコレ」
「おんなじか……? まあいいや、俺もアイデアなんてないし」
俺たちは叱られるのを待つ子供のような気持ちで、一階の階段をギシリギシリと鳴らせながら、味噌汁を作ってる母ちゃんのいる台所へ向かった。
「…………!」
母ちゃんは予想通り、アゴでもはずれたんじゃないかってくらい、口を縦に開いた。なんかモアイみたいな顔になってた。
「あんたら……なんで4人になってんの?」
「4人……? イヤ2人だよ、ナニおかしいこと言ってんだ」
俺は母ちゃんの変なユーモアに当てられて、苦笑いしながらうしろを振り返ると……そこには、青ざめた顔の俺が、もう2人いた──
俺が分裂(物理)する話。 みんQ @minQchan
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。俺が分裂(物理)する話。の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます