第十話 会議

聖歴1493年、夏期 終わりの月 第3週目 第2王子執務室


 国王と帝国大使の挨拶という名の顔合わせは直ぐに終わった。この到着直後の王との顔合わせは、第何回の王帝会議から行っていたかは分からないが、既に儀礼的なものでしかなかったからだ。大々的に王族や貴族との挨拶は、王帝会議の初日に組まれている大使歓迎のセレモニーと立食パーティーになる。

 実際問題、王帝会議自体も1から全て決めましょうという性質の会議ではない。会議の場で実際に発言する外務大臣や大使は外務を担当する役人から、どの品目でどこまで吹っ掛けて良いか、これ以上は絶対に引くな、といった具体的な数字が書かれた資料を持って進めることになる。大抵は前回と似たり寄ったりな比率で決まることが多く、歓迎と終了宣言のセレモニーを入れても、大体4日から5日で終了することが多かった。

 護衛期間も含めて今回もそうなるだろうとの予想だったため、帝国大使の護衛任務は第1王子と第3王子の間で取り合いになったのだ。だが、これは護衛任務にやる気を見せなかった第2王子が、王の勅命で行うこととなった。第1王子としては、王太子に指名される前の箔付けと自身の親衛隊である第1騎士団が野営の経験を積めれば良いと考えていたし、第3王子も似たようなものだ。王は王で、自身が発した唯材令(実力以外一切不問での採用)で採用した第13騎士団への箔付けという名の飴であり、普段から『父さんを見てると、王様とか罰ゲームだよね。私は兄さん(第1王子)を盛り立てることで国に貢献するよ。』と言って事務仕事を優先して軍事関係を疎かにしているように見える第2王子に対してのテコ入れの意味もあった。

 それがどうであろうか。蓋を開けてみれば、魔法訓練を受けたと思われる賊に大使を襲撃されるわ、護衛で派遣した騎士団は足止めされるわとイレギュラーだらけであった。ちょっと箔付けで行ってくるかなどとやっていた場合、大惨事になった可能性もあったのだ。もっとも、王も飴をやるかという程度の認識だったわけだが。イレギュラーが多い状態だった以上、王も含めて詳細な情報は欲しかった。

 このため、第2王子は王にのみ襲撃の報告を行い(第2王子からしたら、どこまで話すかは王が決めてくれという意味合いだったが)、王は第1王子と第3王子には襲撃のことを知らせなかった。王は顔合わせが終わった後、第2、第13騎士団を直接労ってやろうという理由で第2王子とともに、第2王子の執務室でエルキュールとアクスを待っていた。

 執務室で待つこと数分、ドアがノックされた。


「第2騎士団長、エルキュール=マルローです。護衛任務のご報告で参りました。」

「どうぞー。入ったら直ぐにドアを閉めてね。」


 第2王子ラドクリフの返答を受けて扉を開けたエルキュールは、少し驚いた様子を見せたが、直ぐにドアを閉めた。それはそうだ。ラドクリフに報告に来たと思ったら、王がいるのだ。王は、ニヤリとしながら言った。


「イレギュラーにも動じず、直ぐに指示されたとおりに動けるか。正直、私の第1騎士団では、そうはいかなかっただろうな。」

「ハッ。過分なお言葉、ありがとうございます。今回の任務では、イレギュラーなことが多すぎましたので、多少は慣れたように感じています。」

「そう、その今回の護衛に関する報告だ。ラドクリフにもまだ何だろうが、ここで上司と上司の上司に一気に報告してくれ。」


 王が言った『私の第1騎士団』とは、王が王太子時代に受領していた第1騎士団のことであり、現在の近衛騎士団の中核を成す者たちである。現在の第1王子の指揮下にある第1騎士団ではない。

 ストラスマール聖王国では、王族直系の男子、つまり王子には例外なく騎士団ひとつを親衛隊として与えられることになっていた。そして、王になった王子は自身の親衛隊をそのまま近衛騎士団に採用するという習慣があった。ちなみに王女にも騎士団がひとつ与えられるが、これは街道警備や王都の警備など、王女がお飾りであったとしても問題ない騎士団である。王女に対しては、部下を使うという経験を得る場として与えられていた。

 ちなみに、ラドクリフが第2王子であるにも関わらず第2騎士団と第13騎士団のふたつを受領しているのは、単純に第13騎士団の受領を他の王子、王女が渋ったためである。

 こうして、エルキュールは護衛に向かう道中について話した。プレヴェール前伯爵の一件や、東国境砦や補給物資を襲撃されたことをである。そしてその際、襲撃者数名分の装備と顔を確認したことも話した。そして、王都に帰ってくるまでの護衛計画については、第2、第13騎士団の騎士団長2名と百人長5名、帝国大使、帝国側の護衛隊長の9名で協議して決定したことも報告した。


「エル。襲撃者の顔と装備は、帝国大使も確認したってことで間違いないね?そして、襲撃者は王国の者も帝国の者もいたと。」

「はい。その通りです。遺体については東国境砦の兵に処理を任せましたが、装備自体は証拠品として第2騎士団の詰所にて保管しております。」


 エルキュールの報告を聞いて考え込んでいた王は、おもむろに口を開く。


「証拠も大事ではあるが、もっと大事なのは、王国うちはプレヴェール伯爵家の関与がかなり濃厚であり、帝国むこうは関与してるであろう貴族が不明ってことか。」

「父さん。普通に考えたら、プレヴェール伯爵領と帝国側で接しているキースリング辺境伯なのでは?それなら、襲撃に自分の兵も出しやすいんじゃない?」

「そのあたりはバルツァー殿も考えただろうな。だが、武器と領地の位置だけでは、なんとも。もし本当にバルツァー殿が現状維持派であるのなら、この王帝会議の期間に一度話し合いの場を持ちたいものだ。それに、さっきはプレヴェール伯爵家の関与が濃厚とは言ったが、たぶん濃厚どころじゃなく、関わっているのは確定だろうしな。」


 ラドクリフは、『公式の場で無いとはいえ、プレヴェール伯爵家が関わっていると言い切るのか。』と思い、何かプレヴェール伯爵家が王国を裏切る要素があるかと考え始めた。ただし、エルキュールは船着き場でのアクスとの会話から、もしかしてと思い尋ねてみた。


「陛下。プレヴェール伯爵家の関与が確定とおっしゃったのは、もしやフォレの村から東部大河砦の一件からのことでしょうか?」

「ふむ?その話が出てくるならラドクリフからだと思っていたが、エルキュールから出たか。武芸だけではなく政に関しても良く勉強しているようで感心なことだな。」


 ラドクリフが不思議そうな顔をしていたため、王はそのことを少しだけ話し始めた。


「ラドクリフ。詳細は王帝会議の後に自分で調べよ。フォレの村と呼ばれた村がプレヴェール伯爵領にはあった。これが帝国兵の攻撃によって滅んだのだ。当時のプレヴェール伯爵は知らせを受けると同時に領兵を派遣したのだが、間に合わず。狼藉を働いた帝国兵自体は、領地を脱出される前に片づけたそうだがな。プレヴェール伯爵家は、何代もに渡って王国と帝国の国境線に砦を築くことを要望していてな。その直後に作られたのが東部大河砦だ。おかげでプレヴェール伯爵家は平民から盗賊貴族なんて呼ばれ始めてしまったからな。」


 これにはラドクリフもエルキュールも驚いた。ラドクリフはそんな事件があったとはという驚きであり、エルキュールは知りながら放置したのかという驚きであった。プレヴェール伯爵家がアクスから恨まれるのは仕方ないという気持ちがあるにせよ、そこまで詳細に知っているなら、当然生き残りがいたことも把握していたのだろうと考えたからだった。もしフォレの村の一件が理由でプレヴェール伯爵家が王国に叛意を持ったのであれば、生き残りがいたことを教えていれば、プレヴェール伯爵家を繋ぎ止めておけたのではと思ったことが大きい。


「陛下。そこまでご存じだったのであれば、生き残りがいたことをプレヴェール伯爵家に伝えていれば、今回の事態は防げたのではありませんか?」

「エルキュール。お前もこの事件を調べたのであれば、聖教の教会が無残な姿になっていたことも、そこで管理していた結婚台帳も出生台帳も失われたのは知っているだろう。・・・・・・いや、待て。その言い方、生き残りがいたのだな?」

「はっ。アクスです。彼自身から聞いた話では、幼いころにフォレの村で暮らしていたとのことです。帝国兵の装いで統一した集団に襲われ、村は全滅したと。それが公式発表だと言っておりました。」

「そうか。私も生き残りは探し出せなかった、いなかったのだろうということしか把握していなかったからな。プレヴェール伯爵家に伝えても今更だろうな。仮に帝国の貴族と組んでいるのであれば、もはや止まれまい。そして、肝心のアクスは、今。」

「はい。東部大河より東の地域で、襲撃者たちの補給物資を襲撃しております。」


 国王は、早急に帝国側と非公式な会談の場を設けることを決めたのであった。ただ、団長不在を理由に第3王子あたりは自分の騎士団を第13騎士団の代わりに護衛任務になどと騒ぎ出しそうだったため、何とか私的な会話で呼び出しましたとする必要があるかと思っていた。王帝会議まであと数日。王はどのように理由を付けて帝国大使と会談の場を設けるかを考えるのだった。


聖歴1493年、夏期 終わりの月 第3週目 王の執務室


 帝国大使一行が王都に到着した翌日。バルツァーとその随伴員の一人はストラスマール聖王国国王の執務室にいた。なんでも、『じゃがいもの生育状況に関する意見交換がしたい』とのことだった。じゃがいもは聖教が広めた麦の代替となる主食であり、情報交換を行うこと自体は問題なかった。2国間で話し合わなくても、聖教に問い合わせれば答えが返ってくるのだ。聖教の仕事は大きく分けて3つ、農業指導、暦の作成、結婚と出産の管理である。

 バルツァーは、十中八九襲撃に関する話だと思っていたが、念のため農業関連の業務を主にしていた随伴員も連れてきた。王は挨拶もそこそこにバルツァーに本題を話し始めた。


「バルツァー殿。お呼び出しして申し訳ない。早急に話し合いたいことがありましてな。」

「陛下。それは襲撃のことでございましょうか?」

「その通りです。それともう一つ、お帰りの際の護衛についてです。手早く終わる護衛の話を先にしましょう。」

「承知しました。こちらとしては、第2騎士団と第13騎士団にお願いしたく存じます。アクス殿もレイピア殿もあの襲撃があった地域に詳しいとのことでしたので、大変助かりました。また、私どもの護衛部隊と行動した経験がある点でもお願いしたく存じます。」


 ここまでは、はっきり言えば茶番であった。王としては『帝国側から請われたから団長不在の騎士団を動かしますよ。』としたかったし、バルツァーも『団長不在なのは自分も関わってることだから、この程度はのりますよ。』といったところだった。

 そんな数分もかからないやり取りが終わったところで、王は襲撃について話し始めた。


「まずは我が王国内で大使殿が襲撃された件について謝罪いたします。王帝会議という重要な会議においての不備、大変申し訳なかった。」

「陛下、謝罪を受け取ります。ですが、賠償金に関しては両国間での話し合いで決定します。そこはまかりませんのでご注意を。」


 そこで王とバルツァーはにやりと笑い、バルツァーと共に来た随伴員はお茶菓子を堪能していた。バルツァーに『たぶんじゃがいもの育成については名目だけじゃろう。君は高級なお茶を飲みながら、これまた高級な菓子でも食べて一服する時間とでも思えばええ。』と言われていた。片や一国の頂点、片や自国の要人がいる場所でお茶を楽しみ始める随伴員。意外と大物であった。そして王が真面目な顔になり、バルツァーに話を始めた。


「さて。ここからは先に私がボタンを外そう。襲撃にはプレヴェール伯爵家が関わっていると思っている。襲撃犯が着用していた鎧も見せてもらったが、確かに我が王国の正規兵のものだ。」

「ありがとうございます。私のことはバルツァーとお呼びください。では、陛下にならい私もボタンを外しましょう。私は軍事は門外漢ではありますが、武装に関しては帝国軍の標準装備かと思います。」

「そうか。エルキュールから報告は聞いたが、バルツァー殿がまとめた8つの疑問点。これは良いだろう。だが、先ほども言った通り、私はプレヴェール伯爵家が関わっていると判断した。なぜそう考えたかについては王国の機密も関わるため避けさせてもらうがな。」

「承知しました。帝国側ですが、誰かを特定することは出来なくとも、少なくともそれなりに権力のある貴族が関わっていると考えています。特に、我々帝国大使側の予定と王国の護衛騎士団の予定をずらされていた点。これについては、下の者たちの単なるミスでは無いでしょう。そういったことと襲撃犯に帝国人が、それも魔法訓練を施された者がいたという点から、キースリング辺境伯が怪しいと思っております。」

「辺境伯、たしか、王国で言えば侯爵と同等かそれに近い爵位であったな。それであれば権力で迫れば下の者は断れないか。特に国土防衛に関することを理由にするなどすれば、侯爵よりも効くかもしれないな。」

「帝国へ戻って調査をしなければ正確なことは言えませんが、私個人としては間違いないと思っております。そして、キースリング辺境伯であれば、相当の理由がなければ、他の領地の兵が自分の領地を通ることを許すはずは無いということも付け加えておきます。」


 王は目をつぶってしばし考える。想像ではあるが、仮にバルツァーの言う通りにキースリング辺境伯が今回の事件を起こした帝国側の首魁であるならば、彼の得るものは何か。騒ぎを起こしました、捕まりましたでは何の意味もない。帝国の欲しているものとしては海があるが、あの地は大きな軍港を作るには向かない土地である。少なくとも王国ではそう判断されたため、あの地は漁村くらいしか無かったはずである。塩づくりなどは東部大河よりも西の地域で行っていたわけであるし。そもそも、陸戦と海戦は大きく違う。だからこそ、王国では第7、第8騎士団とふたつの騎士団を専門の海軍として擁しており、そのふたつの騎士団は陸戦を捨てて海戦専門の訓練を行っているのである。

 逆にプレヴェール伯爵家に関しては、利益を得るのではなく、もはや恨みだろうと最近は考えていた。王国開闢以来の忠臣ではあったが、ここ数代の扱いに耐えかねたか、と。それ自体は理解できなくもない。王としてもどうしようも無かったということもあるし、歴史的にコロコロ所有者が変わるような地域よりも、伯爵が本拠地としてる東部大河よりも西の地域を守りやすくした方が良いだろうという文官たちの判断もあったのかもしれない。

 王はバルツァーに問いかける。


「仮にだ。仮にキースリング辺境伯が帝国側の首魁として、キースリング辺境伯が得るものは何なのだ?正直なところ、プレヴェール伯爵家については何となくわかる。だが、キースリング辺境伯が得るものがわからないのだ。」


 これに対しバルツァーは少し考えをまとめてから答えた。


「もはや意地でしょうな。普段から東部大河から帝国国境線までの地域を編入すべきと語っている家です。歴史上、あの地が帝国領になったこともありました。もっとも、現在は王国領であることからわかりますとおり、あの地は直ぐに王国に奪い返されてしまっていた訳ですが。ですが、あの地を取り戻すことがキースリング辺境伯家の悲願とまでなっているのではないかと推測しています。」

「ふぅむ。理由としては弱いように思えるが、それは帝国側から見たプレヴェール伯爵家についても同じか。ところで、今回の王帝会議を潰せた場合、帝国は即開戦となるか?今回の大使を出す側が王国だった場合、少なくとも両国合同の調査と会談での結果が出るまでは話し合いの席につくと、王として宣言しておく。そして、大使に国内で襲撃された賠償として東部大河から帝国までの地域を寄越せと言われても、それは受け入れられないとも。」


 それはバルツァーも承知していた。正直なところ、王にしろバルツァーにしろ、相手の目的が分からないためにどのように対応すべきかを決められないのだ。高級菓子の2回目のお代わりをした随伴員が咀嚼する音だけが聞こえる空間で、バルツァーはしばしの間考え込んでいた。そして、バルツァーがハッとして王に答えた。


「陛下。私は国の意思決定を最終的に行う者では無いという前提でお聞きください。まず、帝国にしても同じです。たぶん、私が害されたからと言って即開戦とはならないでしょうし、最初の吹っ掛ける条件以外で領土割譲を申し出ることも無いでしょう。以前、自分でも妄想だと切って捨てたのですが、ひとつだけ王帝会議にかこつけて領土を得る方法があります。王帝会議にて不備があった場合、両国話し合いの上で納得のゆく金額での賠償が通例でした。ですが、不備の話し合い、今回の場合は襲撃もありましたのでその調査もですが、それらを王国、帝国の双方から開戦するように仕向けた場合、開戦したいと思っているものが少数であったとしても、戦争に突入してしまう恐れもあるかと思います。」

「つまり、王帝会議がどうなるかはどうでも良くて、ただただ戦争を起こす切欠にしようとしているということか!」


 王は思う。片や恨み、片や領土の切り取り、しかも切り取って何をするかではなく、切り取ること自体が目的となってしまっている。もしかしたら、戦争を起こすこと自体が行動目的と言われると、これまでの中途半端な襲撃もそのためかと思えてきてしまう。平和を維持するための会議よりも、相手の非を見つける調査と会議の方が、戦争状態には持っていきやすいかもしれない。その非を見つけるための会議も、非が無ければ、本来の予定通りに平和を維持するための会議が終わってしまえば、開かれないものだ。であれば、戦争状態にしたい者たちで共謀して『非』を作ってしまえばよいということか。

 王は、もう現状では打てる手が無いことを確信し、王帝会議からその後に考えを移すことにした。


「バルツァー殿。帝国では、開戦を望んではいないのであろう?当事者である貴殿が帝国へ戻ってから、開戦を回避するように働きかけることは可能であろうか?」

「可能とお答えしたいところですが、回答できかねます。確かに私が帝都を出立する際には現状維持派が最多数で、開戦派は少数でした。ですが、私が帝都に帰還するまでに『王国軍に大使が襲撃され、安否不明』などと喧伝されていた場合は、どうなっているかはわからないとしかお答えしようがありません。」


 王は、せめてアクスが王帝会議の間にプレヴェール伯爵家とキースリング辺境伯家で共謀していた何かしらの情報を持ち帰ってくれればとも思った。だが、帝国大使の安全を確保するために少数で襲撃犯の注意を引き付けている現状、そこまで求めるのは酷だろうと思い直した。

 王とバルツァーは、過去の王帝会議の最長日数は5日間。アクスが会議期間中に戻って来れるように、お互いに5日目までは会議を引き延ばそうと約束したのであった。


聖歴1493年、夏期 終わりの月 第4週目 王城


 王帝会議は恙無く進行していた。第4週目の初日の歓迎セレモニーはともかく、2日目からの会議はお互いに下手な条件を最初に突きつけ、なるべく会議が長引くようにしていた。そして王帝会議開始から3日目の夜。王とラドクリフの元に、アクスが帰還したとの報告がなされたのだった。

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