出会い
「クロワッサンにクリームを乗せると
美味しいの…」
彼女は、そう言ってたかな…
バスが止まった先には、白い大きなホール
ケーキ。あの建物が、市民センターだ。
わざわざ苦手なバスに乗って
やってきたけど、僕の心は、悪く澄み渡っていた。
バスが去って行く。リュックから、
ハンドガンを取り出した。
センターの玄関へ向かう。
すると、僕の意識は空の遙か彼方宇宙まで
飛んでいった。闇へ沈んでく。
目を覚ますと、紫色のパウダーが、風に舞う
砂漠へ横たわっていた。
目の前に、浅ましいピンク色をした、
縦横無尽に、ミミズのような、チューブが
渡されてる、悪趣味でメカニックな、
巨大ドラム式洗濯機がそびえていた。
ラブクラフト原作のB級ホラー映画に、
出てきそうな見た目…
するとボワボワとミミズのような、チューブが波打ち、始め、花びら状の
蓄音機のホーンから、人型のものがブリリュと飛び出した。
人型のそいつは、僕に背格好や髪型が似ている。
そいつに、あだ名をつけるとしたら、
ちょっと老けてるから、オールド・ミー
だろう。
オールド・ミーは、近づいてきて、両手を
ゾンビのように、肩まで上げた。
「よっよろし~く~」
嘘だ。言葉を喋れるのか?!
「あぁよろしく。」
片手を握った。ソフビのフィギュアの感触がした。
「あんたは、誰?」
「ア~タ~シ~は、タ~リア~ンズ~!」
「ここはガイタリアン星?」
「そうだ!そうさ~!」
「あの建物は、何?」
「そ~れ~もアタ~シ~。」
「君をみ~て、あれが、君をコピーした~」
「アタ~シ~の魂分散してる~。」
「あんた、名前ってある?」
「君が、つけた、名でいいよ~。」
オールド・ミーと呼ぶことにした。
オールド・ミーは、少し能天気だが、明朗快活な様子で、いた。
「迷える君は、ニュータリアンズを殺してやる~て思った。」「ソフィーが、消えたからね…」
全てお見通しなようである。
「あたしも殺す?」
「う~ん。」
「まだ恨んでるのなら、タリアンズが、どういう生命か、説明したげる。」
「タリアンズ、この惑星住んでる。」「ここ、
ガイタリアン星。」「あたしらは、魂の放射を
本能に従ってするの。」「やらざるおえない…
っていうのかな~。」「この宇宙の生けとし、
生きるものたちの心へ入り、
そこへ住まう。」
「寄生するって君は、思うんかな~。」
「そして、あたしら、生命の心と自然に響き合う」「互いに影響し合うのをセッション
て言うんだ。」「全然悪意なんてないんだけど、
君の大切な人は、うまくあたしらと響き合わなかったんだね…」「ごめん…なさい…」
「本能には、抗えないの?」
「勝手に魂が動いちゃうの…」
「そうか…」
「心を持つ主が死ねばタリアンズは、
どうなる?」
「消えちゃう…ポワリって…」
「じゃあ運命共同体だ。」
「そう!にゅ、にゅうめー
にょうどうたい?」
タリアンズに、性別は、ないっぽかった。
見た目は、初老の男、口調は、若い女。
「タリアンズの教え。って何なの?」「あれが、真理?」
オールド・ミーは、空の星を指さす。
「あの、星は、この惑星と近づいたり離れたりを繰り返すの。」
「一番あの、星が近づくと
全てをタリアンズが、手に入れる代わり、
全て滅ぶ」「コントロール効かないの。」
「星がまた、遠ざかればね、タリアンズ再生
する。」「命、芽吹~く。」
「もうそろ~ゼロの地点へあの星くるんじゃない?」「とどまるのは、一瞬。」「けど、そこに、
破滅も再生もない。」
「終わりの始まり
始まりの終わりの…間。」
「メッチャ美しい~しょ?間って…」
マイナスのプラスの間0。
タリアンズを少し理解した気がする。
「またね。人間君。」
「あれ、ハンドガンは?」
「うん。食べちゃった。」「たぶん宇宙ネコとか、
ズケズケミミズがさ。」
僕の意識は、地球へ戻った。
市民センターの玄関から、人がぞろぞろと
出てくる。僕は、そそくさその場を離れた
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