こんな大河ドラマが見たい③ 『武田信玄の夫人、三条殿』

第14話 晴信妻子流産、UFO

この時期、武田信虎は上杉氏との関係を深めながらも、後北条氏との対立が激化していた。特に相模国を拠点とする後北条氏との対立は、信虎にとって重要な政治的・軍事的課題であった。

**扇谷上杉氏との連携**

信虎は扇谷上杉氏（上杉朝興）と連携し、関東での勢力を強化しようとしていた。この背景には、北条氏との対抗がある。1523年に伊勢氏が「北条」と改姓し、後北条氏として勢力を伸ばしていたが、信虎と扇谷上杉氏はこれに対抗しようとしていた。上杉朝興が後北条領の江戸へ侵攻した際、信虎は甲斐の豪族・小山田氏に関東への出兵を命じ、北条氏と対峙させようとした。

**八坪坂での敗退**

しかし、小山田氏率いる甲斐軍は、都留郡の八坪坂（現在の山梨県上野原市大野）で北条勢に大敗を喫してしまう。この敗北は、信虎にとって大きな打撃であり、扇谷上杉氏との共同戦線も機能しなくなった。この結果、信虎は北条氏との対立を一時的に回避し、外交手段を模索することになったと考えられる。

この頃、信虎は相模や駿河、さらには信濃といった周辺地域に対しても積極的に関与しており、その中での軍事的失敗や外交上の転換は、彼の政治的な決断に大きな影響を与えたとされる。

　武田信虎は、上杉氏との関係を強化するために、上杉憲房の娘を迎え入れることとなった。この結婚は、政治的な意図を持つものであり、信虎は家の安定を図ろうとしていた。しかし、結婚後、信虎は思わぬ苦難に直面することになる。

信虎の妻は、信虎との間に子供を授かったが、妊娠中の困難さは予想以上だった。彼女は体調を崩し、周囲の者たちの懸念が高まっていた。信虎もまた、無事な出産を祈りながら、政務に忙殺される日々を送っていた。

しかし、ある日、信虎は不吉な知らせを受け取る。妻が流産してしまったというのだ。その知らせは、信虎にとって非常に大きな打撃となった。彼は、上杉氏との関係を強化するための象徴でもあった子供の喪失を深く悲しむと同時に、自らの無力感を感じた。

**信虎（心の声）**：「これが私の運命なのか…上杉氏との結びつきを強化するための子供を失ってしまうとは…。」

信虎は、悲しみに暮れながらも、この出来事を家族の絆の強化や上杉氏との関係を見直す契機として捉えようとした。彼は心の中で誓った。

**信虎**：「この試練を乗り越え、必ず家を守り、上杉氏との関係を再び強固にする。私にはまだ道が残されている。」

彼は流産の悲しみを抱えながらも、政治的な決断を下すために活動を再開した。しかし、この出来事は彼の心に深い傷を残し、今後の選択や行動に影響を与えることになる。信虎は、自らの運命と向き合いながら、再び立ち上がるのであった。

　竹が羽咋市に出かけた日、秋の空は澄んでおり、風が穏やかに吹いていた。竹は、羽咋市がUFO伝説で有名な場所だという話を聞いており、どこか胸の中に期待を抱きながらその地を訪れていた。

彼女が金剛山（こがねやま）の近くに差し掛かったとき、不思議な現象が起きた。突然、空が不気味に暗くなり、風が止まった。周囲の音も全く聞こえず、まるで時間が止まったかのようだった。そのとき、竹はふと空を見上げた。

**竹**：「えっ…何、これ…？」

彼女の目に飛び込んできたのは、空に静かに浮かぶ不思議な円盤形の物体だった。それは銀色に輝き、周囲には微かに光が差し込んでいた。竹はその姿に驚愕しながらも、なぜか恐怖は感じなかった。ただ、その光景に引き寄せられるように、彼女は足を進めた。

**竹（心の声）**：「これが…UFO？本当に存在するなんて…！」

物体は徐々に竹の方に近づき、彼女の頭上に静かに止まった。次の瞬間、円盤の底部から柔らかい光が降り注ぎ、竹の体が宙に浮き上がった。竹は驚きつつも、不思議とその光に安心感を覚えた。

**竹**：「何が…起こってるの…？」

その後、彼女の記憶は断片的になったが、気がつくと竹は再び地上に立っていた。空は再び晴れ渡り、先ほどの不思議な現象はまるで夢だったかのように消えていた。

**竹**：「今のは…何だったんだろう…。夢…じゃないよね？」

竹はその経験を誰にも話さず、心の中に秘めたまま羽咋市を後にした。UFOに遭遇したあの瞬間は、彼女の心に深い印象を残し、これから先も不思議な体験を求め続けるきっかけとなるだろう。

竹が羽咋市で不思議なUFO体験をしてから数年が経った。彼女はあの日の出来事を誰にも話すことなく、心の奥にしまい込んでいた。しかし、その体験が彼女に与えた影響は深く、未知の世界への興味や冒険心を抱かせるようになった。竹は何度か羽咋市を訪れたが、あのUFOに再び出会うことはなかった。

そんな中、竹の運命は大きく変わろうとしていた。彼女がある日、甲斐国の武田家に招かれ、武田晴信（後の武田信玄）と出会うことになったのだ。竹は、その気高い姿と鋭い知性を持つ晴信に強く惹かれた。晴信もまた、竹の内に秘めた強さと優しさを感じ取り、彼女に対して特別な感情を抱くようになった。

**晴信**：「あなたが竹か。聞いていた通り、芯の強さを感じる。」

竹は少し照れながらも、晴信の言葉に真摯に応えた。

**竹**：「お褒めいただき、光栄です。しかし、私はただの女です。戦国の荒波の中で、何もできることはないでしょう。」

**晴信**：「そんなことはない。あなたの心には、誰にも負けない強さがある。その強さが、私を支えてくれるはずだ。」

二人は互いに惹かれ合い、やがて結婚を決意した。結婚式は甲府の武田家の居城で盛大に執り行われ、竹は晴信の妻として新たな人生を歩むこととなった。

しかし、竹の心の中には、あの日のUFOとの遭遇がずっと引っかかっていた。晴信との穏やかな日々の中で、彼女はふと、あの光景を思い出すことがあった。まるで、何か大きな運命が自分を待っているかのように。

竹はやがて、晴信との間に子供をもうけ、母となった。しかし、その強い冒険心と未知への興味は消えず、ある夜、彼女は晴信に自分の胸の内を打ち明けた。

**竹**：「あの日、羽咋で見たもの…あれがずっと私の心に残っているの。まるで、私が何か大きな使命を持っているかのように感じるの。」

晴信は少し驚きながらも、竹の話を真剣に聞いた。

**晴信**：「竹、君は何かを感じ取っているのだろう。それが何であれ、私は君を信じる。もし、君がその答えを見つけたいのなら、私も力を尽くそう。」

竹と晴信は、これからも共に歩み続ける決意を新たにし、未知の運命を切り開くための旅が始まろうとしていた。UFOとの遭遇は、竹に何を告げようとしていたのか、そして彼女が武田家にもたらす未来とは──その謎はまだ解き明かされていなかった。