こんな大河ドラマが見たい③ 『武田信玄の夫人、三条殿』

第8話 梨ノ木平

### 大永6年の戦いと信虎の動向

大永6年（1526年）、武田信虎は梨の木平で北条氏綱の軍勢を破り、一時的に北条方に対する優位を築いた。しかし、この勝利は長続きせず、北条方との抗争は一進一退の状態が続いていく。

#### 信虎の上洛計画

同年には、信虎が上洛するとの風聞が流れたが、実際には実現しなかった。翌年の大永7年（1527年）2月、将軍足利義晴（ケンドーコバヤシ）と細川高国（渋川清彦）が京都を脱出して近江国へ逃れる事件が発生し、信虎はその対応に追われる。将軍義晴は、諸国の大名に上洛を促しており、信虎にも4月27日付の御内書で上洛を要請した。

#### 上杉氏との関係

6月19日には、信虎の上洛に対する上杉憲寛（小手伸也）や諏訪頼満（薬丸裕英）、木曽義元（出川哲朗）への助力が求められ、信虎は自身の影響力を駆使してこれに応えようとした。このような外交努力は、信虎の領地と武田家の権威を保つために欠かせないものであった。

### 信虎の決意

信虎は、戦乱の中で家族や国を守るため、冷静な判断と行動を求められていた。彼は常に周囲の動向に敏感であり、信頼できる部下たちと共に、戦局を見極めながら進む道を模索していた。彼の強い意志と戦略が、武田家を支え続ける鍵となるだろう。

この時期、信虎は戦場だけでなく、外交の舞台でもその名を高めていく。彼の動向が今後の甲斐の運命を大きく左右することになるのだった。

以下は、武田信虎や大井夫人を中心としたキャスト案です。歴史的な背景に基づき、実在の人物やフィクションのキャラクターを組み合わせています。

　### 大井夫人と桃太郎の出会い

大永7年（1527年）の秋、大井夫人は甲斐の大月へ向かう旅路にあった。戦乱の中、領内を視察するため、信虎の命を受けての旅であったが、静かに広がる山々の美しい景色に、彼女は束の間の安らぎを感じていた。

しかし、その静けさが突如破られた。大月の町外れに差しかかると、不思議な光景が目に飛び込んできたのだ。若い男が一人、背中に大きな袋を背負い、猿、犬、そして雉を連れて歩いていた。

**大井夫人**（心の中で）：「あれは…いったい何者なのか？」

彼女は馬を止め、その男に近づいた。男の顔立ちは精悍で、どこか凛々しさを感じさせたが、同時にどこか異世界から来たような風貌だった。

**大井夫人**：「そなたは何者だ？ここで何をしておるのだ？」

その男は振り返り、礼儀正しく一礼すると、口を開いた。

**桃太郎（上田竜也）**：「拙者は桃太郎と申す者。鬼を退治するために、仲間と共に旅をしておるところです。」

**大井夫人**：「桃太郎…？まさか、あの昔話に出てくる桃から生まれたという英雄か？」

桃太郎は微笑みながら頷いた。

**桃太郎**：「はい、その通りです。母上に与えられたきび団子でこの猿、犬、雉を仲間にし、共に悪しき鬼を討つために歩んでおります。」

大井夫人はその言葉に驚きながらも、彼の誠実な眼差しに心を動かされた。彼女は自らの剣技や戦いの経験を思い出し、桃太郎に何か協力できることはないかと考えた。

**大井夫人**：「そなたの旅路に、もし助力が必要ならば、私も手を貸そう。武田家の者として、悪しき者を討つことは、我が使命でもある。」

桃太郎は感謝の意を表し、しばらくの間、大井夫人と共に道を進むこととなった。彼らは、鬼退治の話をしながら、次第に心を通わせていった。

### 突如現れる鬼

その道中、大月の山中に差しかかると、突然、地面が激しく揺れ始めた。山の奥から不気味な声が響き渡り、木々がざわめく。

**鬼の声**：「ここに来たのは誰だ？我が縄張りを荒らす者は許さん！」

突如、巨大な鬼が姿を現した。角が生え、目は赤く燃え盛り、手には大きな金棒を持っていた。その姿は恐ろしく、周囲の猿や犬、雉ですら怯えていた。

**大井夫人**（心の中で）：「これが…鬼か。」

桃太郎は一歩前に進み、鬼に向かってきび団子を差し出した。

**桃太郎**：「この団子を食べれば、もう悪事を働くことなく、共に善行をなすことができる。どうだ、我と手を組まぬか？」

しかし、鬼はその申し出を一蹴し、金棒を振りかざして襲いかかってきた。

**鬼（やべきょうすけ）**：「ふざけるな！俺を倒せるとでも思っているのか！」

### 共闘

桃太郎と大井夫人は目を合わせ、戦う覚悟を決めた。桃太郎は刀を抜き、大井夫人も剣を構えた。彼らは連携して鬼に立ち向かい、激しい戦いが始まった。

桃太郎は鋭い動きで鬼の攻撃をかわしながら、逆に切りつけていく。一方、大井夫人は華麗な剣技を披露し、鬼の隙を狙って攻撃を繰り出していく。猿、犬、雉も加勢し、鬼の動きを封じる。

**大井夫人**：「これで終わりだ！」

最後に、大井夫人と桃太郎は同時に鬼に一撃を加え、ついに鬼を倒すことに成功した。鬼は消え去り、山は再び静けさを取り戻した。

### 別れ

戦いが終わり、桃太郎は再び旅に出る準備を整えた。彼は大井夫人に感謝の意を伝え、別れの言葉を告げた。

**桃太郎**：「あなたの助けがなければ、鬼を討つことはできなかった。本当に感謝しています。」

**大井夫人**：「私もあなたとの旅路で多くを学びました。これからもお互いの使命を果たしていきましょう。」

桃太郎は深々と頭を下げ、大井夫人もそれに応えた。そして、桃太郎は仲間たちと共に、次なる鬼退治の旅へと向かっていった。

大井夫人は、彼の背中を見送りながら、自らの使命を再確認し、甲斐へと帰路についた。