こんな大河ドラマが見たい③ 『武田信玄の夫人、三条殿』

第7話 大永5年の動乱

　大永5年（1525年）、信虎は遠征から帰国し、北条氏綱との和睦を果たす。しかし、この平穏は長続きしなかった。まもなく氏綱は越後の長尾為景と連携し、上野侵攻を企図。彼は信虎に対し、領内通過を要請したが、信虎は山内上杉氏への配慮からこれを拒絶した。

### 和睦の破綻

信虎は、平和を維持するためには山内上杉との関係を損なうわけにはいかないと判断した。彼の決断は、北条氏との和睦を破綻させ、さらなる抗争の火種を残すことになった。

**信虎**（心の中で）：「信頼関係を築くことが、甲斐の未来を守る唯一の道だ。しかし、氏綱の動きは油断ならぬ。」

### 相模津久井城への攻撃

その後、信虎は上杉憲寛と共に相模津久井城を攻撃することを決定した。彼の軍勢は緻密に計画され、敵の防御を突破する準備が整った。信虎は部下に指示を出し、士気を高めていく。

**信虎**：「この攻撃は山内上杉との連携を深めるためのものだ。我が甲斐の名をかけて、必ず勝利を収める！」

### 諏訪大社の混乱

同年4月1日、諏訪頼満に追われた「諏訪殿」（小雪）が甲府へ亡命してきた。信虎はこの人物を庇護し、諏訪へ出兵することを決定する。彼は諏訪勢の結束を図り、反北条の姿勢を強化しようとした。

**信虎**（冷静に）：「諏訪大社の力を借り、我が国を守るための準備を進めよう。」

### 衝突と敗北

8月の晦日、信虎の軍勢は甲信国境で諏訪勢と衝突する。だが、戦局は信虎にとって厳しいものとなった。武田方は荻原備中守が戦死し、大敗を喫する。

**信虎**（戦の後に自責の念を抱えながら）：「この敗北は我が計画の甘さが招いたものだ。次は必ず勝利を掴む！」

### 再起の決意

信虎は、この敗北から教訓を得て、再び立ち上がる決意を固める。彼は新たな同盟を模索し、甲斐の未来を切り開くために、戦略を練り直さなければならなかった。

**信虎**（力強く）：「この国を守るためには、どんな困難にも立ち向かわねばならぬ。私の信念は揺らがない。」

### 未来への道筋

信虎の抗争は続き、彼は甲斐の安定と繁栄のために邁進する。新たな同盟、戦略、そして武士たちの士気を高めるための努力が、これからの戦局にどのように影響するのか。彼の心には、常に甲斐を思う情熱が燃えていた。

### 笛吹川の亡霊

秋の風が冷たく吹き抜ける笛吹川のほとり、大井夫人は心を落ち着けるために一人川辺に立っていた。川の流れは穏やかだが、その静けさの中に不気味な気配を感じる。

#### 亡霊の出現

その瞬間、霧の中から一筋の影が現れた。それは権三郎（木梨憲武）の亡霊だった。彼はかつて武田家に仕えた忠実な家臣で、無惨な死を遂げたと言われている。

**権三郎の亡霊**：「大井夫人、私の無念を晴らしてほしい。私を死に追いやった者たちに、復讐を果たしてほしい。」

大井夫人はその言葉に胸が締め付けられた。彼女は権三郎の忠義を知っており、彼が果たせなかった願いを理解した。

#### 決意と戦い

**大井夫人**（心の中で）：「あなたのために、私が戦いましょう。」

彼女は心を決め、亡霊に向かって強く宣言した。その瞬間、笛吹川の水面が揺れ、周囲の霧が濃くなった。権三郎の亡霊は怒りを露わにし、彼の霊的な力が周囲に広がる。

**権三郎の亡霊**：「私と共に戦え！怨敵を討つのだ！」

大井夫人は手に刀を取り、亡霊と共に戦う決意を固めた。彼女は権三郎の記憶と共に、彼の剣技を思い出し、戦う力を引き出した。

#### 戦いの幕開け

霧が晴れ、そこには彼女の前に立ちはだかる影が現れた。それはかつて権三郎を襲った者たちの霊だった。彼らは冷たい笑い声を上げ、復讐を阻もうとしてきた。

**大井夫人**（強い声で）：「あなたたちの悪行は許さない！権三郎の無念を晴らすため、私は戦う！」

戦いが始まる。大井夫人は剣を振るい、霊たちに向かって突進した。彼女は権三郎の教えを胸に、力強く立ち向かう。

#### 勝利と解放

激しい戦いの末、ついに彼女は霊たちを打ち倒した。権三郎の亡霊はその姿を変え、感謝の意を表した。

**権三郎の亡霊**：「ありがとう、大井夫人。私の無念は晴れた。あなたの勇気が私を解放してくれた。」

大井夫人は涙を流しながら、彼の言葉を受け止めた。