第3話 欲しい!
僕は今、物凄く悩んでいる。 何をそんなに悩んでいるのかって? それは、免許を取るかどうかで悩んでいるのだ。
何の免許かというと、原付二種の免許である。
うちの高校はバイク通学が可能な高校で、通学の距離が5km以上離れていたらバイク通学をしてもOKとの事なのだ。
因みに僕の家は、学校から歩いて数分の場所にある駅から電車に乗り、約15分の場所にある。 だから余裕で5kmは離れているのだ。
友達にその事を相談したら、原付二種の免許なんて要らなくないか? と言われてしまう。
要らなくないか?の理由は、
" 電車で通えるんだからそれで良くない? "
" 原付二種のバイクって高いよね? 勿体ないよ "
との事らしい。
確かに友達の言わんとする事は分かる。実際に通学に不便さを感じた事は無いから。 しかし、自分的にはやっぱりバイクに乗って通学したいのだ。 そのバイク通学したい思いが強いのには理由がある。
それは、凪がバイクで通学をしているからだ。 やっぱり自分の彼女がバイクで通学しているのに彼氏の自分が電車通学は少し格好悪いと思ってしまう。 それに、学校が休みの日などに凪とツーリングデートをしてみたいと思ったりもするからだ。
そんな事を考えながら教室の自分の席に座り悩んでいると
「優君♡ どうしたの、そんな難しい顔をして? 眉間に皺が寄ってるよ? そんな顔をした優君も滅茶苦茶格好良いけどっ♡」
と凪が座っている僕の後ろから抱き付いてきた。
" 夜叉神だ。 あの男子大丈夫かな? 因縁付けられてるんじゃ? "
" 夜叉神のあの表情初めて見た! いつも恐い顔してるのに、あの男子に向ける表情はどういう事だ? "
皆好き勝手言ってるな。
凪がそんな事を言っている生徒達を睨むと、サッと一斉に凪から顔を反らした。 反らすなら初めからそんな事言わなかったら良いのに。
「ん? 凪か。別に何でも無いよ」
「絶対に嘘だよ。悩み事があるならウチにお話してみてっ。もしかしたら悩み事を解決してあげれるかも知れないよ? さあさあ、悩み事をお話してくれたら今ならウチのハグ+キ、キスをオマケしちゃうよ」
「ん~。そうだね。じゃあ聞いて貰おうかな。実は…」
僕は凪に原付二種の免許を取るかどうかを悩んでいる事を話した。 すると凪は
「良い! 良いよ優君! 絶対に免許を取るべきだよっ!」
「凪も僕が免許を取った方が良いと思うの?」
「当然だよっ! もし優君が免許を取ったら、学校がお休みの時はバイクでツーリングデートが出来るじゃない! もしかしたらワンチャン優君の運転でタンデム出来るかも……そしてウチが優君の背中に抱き付いてっ……エヘヘッ♡」
何か凪は僕とのツーリングデートの妄想をしているみたいで、綺麗な顔が緩みっぱなしになっている。 うん。控えめに言っても可愛い。
「あっ、そうだ。優君が免許を取ったら、どんなバイクが欲しいの?」
凪が楽しそうにそう聞いてきたので
「う~ん。N MAXかな」
と好みのバイクの車種を言う。 すると凪は " え~っ? " みたいなリアクションをした後
「スクーターじゃない。もっと格好良いのにしようよ~。例えばGSX-Rとか~」
と自分の好きな車種を勧めてきた。スクーターが乗るのに楽で良いんだよ。 でも折角凪が勧めてくれたしなぁ。
「まぁ考えてみるよ。 でも先ずは免許を取らないとな」
「そうしてね♡ 楽しみだなぁ優君とのツーリングデート♡」
凪は僕が原付二種の免許を取る前提で話をしている。 まだ取るかどうかを悩んでいる段階なんだけどな。
「あっ、因みに凪のバイクってなんだっけ?」
「ウチのバイク? ウチのバイクはインパルスだよ。アッパーハンドルでタンデムシートが滅茶苦茶高い奴。格好良いでしょ♪」
……排気量から違った奴だったよ。 しかもアッパーハンドルって……。
ここまで読んで頂きありがとうございますm(__)m
面白いと思われたら ♡ ☆評価 コメント レビュー等を頂けたら嬉しいです (* ̄∇ ̄*)
今後とも拙作を宜しくお願い致します m(__)m
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