第2話 ち、違うから!
僕と凪、そして裕子さんが通っている高校は、良くも無し悪くも無しといった所謂普通の高校だ。 学生の質の割合としては 頭が良い:2割 普通:6割 馬鹿:2割 の割合で構成されている。
僕は普通の部類に位置している。 凪はと言うと……なんと!! 頭の良い部類なのだ。 成績はいつも2~4番目にいる。 因みに1番は裕子さんだったりする。 レディースのトップとサブなのに何故頭が良いんだろうな?
でも、先生達からは評判は悪い。 何故か? それは、2人とも先生達に対して物凄く態度が悪いから。 ため口だし、時々喰って掛かるし。 他の生徒達にも威圧的な態度で接しているから本当に評判は悪い。 内申書は大丈夫なのだろうか? と心配になるレベルだ。 しかしテストの成績はトップクラスなので先生達からは何も言われない。
ある日の放課後、僕は凪を探して校内をうろうろしていた。 休日の予定の確認をする為だ。
別に凪を今探さなくても、後で家に帰ってからSNS等で連絡取れば良いんじゃ? と思われる人もいるだろう。 しかし、それじゃ駄目なのだ。
そんな事をすると、凪が滅茶苦茶拗ねてしまい(直接会って話をしながらじゃないと嫌!って拗ねられた事がある。凪の機嫌を直すのに物凄く時間が掛かったのだ)収集が付かなくなる。 だから凪を探しているのだ。
保健室にも居なかったし、校舎裏にも居なかった。 後は……あそこかな?
僕は凪が行きそうな場所を順番に探して行ったが居なかった為、最後に思い付いた場所に足を運ぶ事にした。 そう、屋上だ。 凪は屋上で昼寝をしている事が多い。 何故屋上を最初に探さなかったというと、今の時間が関係している。 今の時間は放課後。放課後に屋上で昼寝している馬鹿は居ないだろうと思い、候補から外していたのだ。
僕は屋上へと続く階段を昇っていく。 そして屋上へと続く扉を開いた。
……居た。 さて、凪に話し掛けて休日の予定を決めないとな。
僕は凪に近付き話し掛けようとした。
……ん? 凪の近くに誰か居る。 誰だ?
僕は凪の近くに居る誰かを確認した。
……坂下じゃないか。
凪の近くに居た奴の名前は坂下誠。 この学校で素行の悪い馬鹿の筆頭だ。 僕は少し様子を見る事にした。
「なぁ凪、いい加減俺の女になれよ。お前は俺に相応しい女なんだからよ」
……あの野郎。 どうやら坂下は凪を口説いているみたいだ。
大丈夫だとは思うけど、もし凪が坂下に靡いたらどうしようと一瞬思ってしまった。
「馴れ馴れしくウチの名前を呼ぶなゴミが。ウチの名前を呼んで良いのは1人だけなんだよ。死にたいのかてめぇ?」
「そんなにつれなくすんなよ。碇だっけかお前の男? あんな弱っちい奴より俺の方が良いと思うぜ? 俺の方がお前を満足させてやれると思うんだけどな? もしかしたらお前、あいつに弱みでも握られてるのか? それなら俺があいつをボコしてお前を助けてやってもいいんだぜ?」
凪の弱み? 何言ってんだこいつ? 俺が凪の弱みなんか握る訳ないだろ? 頭沸いてんのか?
「妄想乙。寝言は寝てから言ってろや。お前の女になる事は今世では絶対にあり得ないから。用事はそれだけか? ウチは帰るぜ。あ~あ。無駄な時間を過ごしたぜ」
言いたい事を言った凪が屋上を後にしようとした時、坂下が凪を捕まえ、無理矢理凪にキスをしようとした。
「無理矢理にでもお前を俺の女にしてやるぜ!」
坂下が凪の顎を持ち上げ、凪の唇にキスをしようとした瞬間、坂下が絶叫した。
「ギャアアアアアアッ!?」
口から泡を吹いてその場に倒れ混む坂下。 坂下の両手は自分の股間を押さえている。
「殺す!! まだ優君にもされた事無いのに!! お前はこの世から消す!!」
倒れ混んだ坂下に蹴りを何発も入れる凪。 そろそろ辞めないと坂下が本当に天に召されるぞ?
「金輪際ウチに近付くな!! このゴミ屑が!!」
気が済んだのか、凪は坂下を放置して屋上入り口へと歩いて来た。 そして今の状況を見ていた僕とばったり出くわす。
「ゆ、優君!? い、何時から其処に居たの!?」
「凪が坂下に口説かれ始めた時位から」
僕がそう答えると、凪は顔色を青くして
「ち、違うから! ウチあの馬鹿には何もされていないからね!?」
「……行こうか」
無防備だった凪にちょっとだけムカついていた僕は凪に少しだけ意地悪をする事にした。 すると凪は物凄く慌てだし
「優君!? 信じて!! 本当に何もされていないからね!?」
と言いながら屋上入り口を出て階段を降る僕の後を弁解しながら付いてきた。
ここまで読んで頂きありがとうございますm(__)m
面白いと思われたら ♡ ☆評価 コメント レビュー等を頂けたら嬉しいです (* ̄∇ ̄*)
今後とも拙作を宜しくお願い致します m(__)m
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