第13話 サークルの新たな挑戦と智也の決意

サークルの展示会が無事に終わり、Dランクへの昇格という結果に全員が喜んでいた。


展示会の成功を祝うため、サークルのメンバーたちは部室で簡単な打ち上げを行っていた。玲奈や桜、霞たちはそれぞれの作品が評価されたことを誇りに思いながら、次のステップに向けて意欲を新たにしていた。


「やっぱりみんなで一緒に頑張ってきたからこそ、この結果が出せたんだよね。」


桜が笑顔でそう言うと、他のメンバーたちも頷いた。智也は、サークルの一員として自分が少しでも役立てたことに満足感を覚えつつも、まだまだ自分には課題が残っていると感じていた。


「次はCランク目指さないとね!」


桜が目を輝かせながら次の目標を掲げる。メンバーたちはその言葉に同意し、それぞれがまた新たな挑戦に向けて意欲を燃やしていた。


「次はどんなプロジェクトが待っているんだろう…」


智也もまた、その未来に向けて心の準備を整えていた。


打ち上げが終わった後、玲奈がサークル全体の前で次のプロジェクトについて提案をした。


「次のステップとして、私たちはもう少し大規模なイベントに挑戦するべきだと思うの。学外の展示会や、コンテストに出品するのもいいかもしれない。」


玲奈の提案に、メンバーたちは驚きつつも、その挑戦に興味を抱いた。学外の展示会やコンテストは、これまでの活動よりも一層ハードルが高いが、それだけの価値がある。サークルのランクをさらに上げるためには、大胆な挑戦が必要だった。


「私たち、今ならできるかもしれないよね!」


桜が興奮した様子で言い、他のメンバーたちもそれに続いて同意した。智也は玲奈の提案に少しプレッシャーを感じつつも、彼らと一緒に進んでいくために、自分も力を尽くす覚悟を決めた。


「僕も…もっと頑張らないと。」


心の中でそう自分に言い聞かせながら、智也は次なる挑戦に向けて準備を始めた。


翌日から、サークルでは次のプロジェクトに向けた準備が始まった。玲奈の提案通り、サークルは学外の展示会に出品することを決め、さらに厳しい審査に挑むことになった。メンバー全員が自分の作品をさらにブラッシュアップし、過去の自分を超えるよう努力を重ねていく。


「次は、もっと自分らしい作品を作りたい…」


智也は再びスケッチブックを広げ、次の作品のテーマを考え始めた。前回の展示会で感じた達成感と、他のメンバーから受けた影響が彼を成長させていた。今度はもっと自分の内面を深く掘り下げ、自分にしか描けない作品を作りたいという思いが強まっていた。


サークル活動が進む中、智也と霞の関係は親友と言えるものになっていた。彼女は体調もすっかり良くなり、再びサークルで積極的に活動していた。智也が霞の家を訪れて以来、二人の間には特別な信頼関係が生まれたようだった。


「彩香ちゃん、最近すごく頑張ってるよね。」


霞が智也に静かに話しかけた。彼女は智也の成長を見守り、応援してくれている。その言葉に、智也は少し照れくさそうに微笑んだ。


「いや、まだまだだよ。でも、次の展示会ではもっといい作品を作れるように頑張るよ。」


霞はその言葉に微笑み返し、そっと智也の肩に手を置いた。


「私も、彩香ちゃんの作品楽しみにしてるから。無理しないで、自分のペースで頑張ってね。」


霞の優しい言葉に、智也は心が温かくなり、さらにやる気が湧いてきた。彼女の支えを感じながら、次の作品に全力を注ごうと決意した。

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