第3話 出会い
体育祭も終わり、6・7月は特に行事も何もない。
あれ以降イケメンに出会うこともなかった。
8月になり夏休みがやってきた。
私のクラスでは夏休みに特別授業がある。
「嫌だな〜」
そう思いながらも行かなきゃいけない。
特別授業の日が近づくにつれて足が重くなった。
特別授業当日。
「おはようございます」
久しぶりの挨拶だ。
教室に入り、久しぶりに友達にあった。
ホームルームが始まり、そこで担任の先生から
「本当はこのクラスだけの特別授業だったんだけど、先週の会議で他クラスと合同で行うことになった。伝えるのが遅くなりすまなかった。」
と言われた。
周りに子たちは
「え〜なんで?嫌なんだけど他クラスとか〜」
「私たちのクラスだけが良かった〜」
などと文句が飛び交っていた。
しかし、私は少しラッキーと思ってしまった。
なぜなら、もしかしたらイケメンに出会えるかもしれないからだ。
授業開始5分前。
他クラスの人たちが教室に入ってきた。
初めて見る顔がたくさんあった。
(イケメン・イケメン・イケメン)
そう思いながら他クラスの人たちの顔を見ていると、
扉の向こう側にイケメンらしき面影が見えた。
(こっちに来る)
イケメンは扉をくぐり教室に入ってきた。
私がイケメンだと感じた人は体育祭で見かけたイケメンと同一人物だった。
私は驚きのあまり心臓が鳴り止まなかった。
授業が始まり、出欠席をとっていた。
私はイケメンの名前を知りたかったため、いつも以上に出欠席を聞いていた。
「如月 颯」
その名前が呼ばれた瞬間イケメンが手を上げた。
イケメンの名前は如月颯だった。
颯の席は私の二列前だった。
そのため話しかけることもなく1日の授業が終わった。
そこから5日にわたって特別授業が行われた。
私は毎日、颯の顔を遠くから眺めていた。
(私には手の届かない存在だな)
そんなことを思いながらも眺めるのはやめられなかった。
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