第24話フッカーという天才ポジション
「いいと思うし、鯨先の技術を高く買ってくれたんやから・・・。」
といったが、褒めても慰めても「スクラムハーフがやりたかったのに・・・。」
と、悔しさの中で彷徨いながら出口を探している鯨先を観たから後は何も言わなかった。
そこのポジションはフォワードとしては花形で運動神経と運動量が格段と違い過ぎるから諦めろといわれたらしい。
僕はバックスでのライトウイングだったが、兎に角足が速いから抜擢された様なもので、兵庫県インターハイにレギュラーとして出場するにはまだ身体が出来て居なくて、僕は専らボール係とスコア表係を言い付けられて、先輩達のプレーを観ていた。
県立芦有高校対僕の母校との試合だったが、試合開始早々両者は荒れ模様で、ノックオン、オフサイド、ノットリリースザ・ボール、ハイタックル等、ありとあらゆる犯則を披露した挙句、先輩達の一人が相手校選手の胸元を掴んで、退場!センターウイングが一人欠けて
アゲハの舞う庭 しおとれもん @siotoremmon
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